第123話
―――始業式の当日。
怖かったけど、雪ちゃんと一緒に学校に登校した。
ただ、若干まだ体は震えてた。それでも学校に行けたのは、側にいた雪ちゃんのおかげだと思う。
学校に着くと、前までは図書室に向かってたのを、私のクラスの教室に行った。
私が廊下を通るたびに、うるさかった人たちが静かになって真ん中が開ける。そして通り過ぎると、こそこそと話をし出すんだ。
前まではそれが嫌で、すぐに図書室に逃げてた。一人だったからね。
けど、誰かが隣にいるだけで私は、前よりも堂々と歩けるようになった。まぁ・・・まだ怖いけど。
教室について引き戸を引く。
ガラガラッて音と共に、クラスメートがこっちを見た。な、なんか怖いんだけど・・・。
「……大丈夫。いくよ?」
雪ちゃんが小声で呟く。そして彼女は、私の手をギュッと握ると、物怖じせずに教室の中へと入っていった。必然的に私も、教室の中に入る。
その瞬間・・・シーンとなった。
不気味なくらいに静かになった教室の中を、私と雪ちゃんは自分の机へと向かう。そしてそこに着くと、雪ちゃんは椅子に座り私は頭を机へと突っ伏した。
「こ、怖かった………っ。」
「お疲れ~桃香。」
雪ちゃんが頭を撫でた。それが気持ちよくて、私は不安が消えていくのを感じた。
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