第三章 そして現在

第20話

 そして・・・今現在。

 冒頭の通り、私は相談の相手―――つまり、泉川君に告白(という名の練習?)をされた。




 ・・・うん。全然、予想できなかった。

 っていうか、この3日間二人がこそこそしてると思ってたけど・・・まさか、これのためにっ!?と驚いてます、はい。

「……えと。」

 緊張してる。顔も赤くなってるよね、絶対に。

 けど、それは泉川君も同じな訳で。ふと見ると、ものすごく顔を赤くしていた。私と同じくらい。

 でも、赤くなるくらい真剣なんだと思う。この―――『告白』(っていうか練習)をすることが。

 でも、どうやって返事すればいいのかな。

(いや、これは練習だし……お付き合いの了承をしなきゃだよね)


『練習』という言葉を出した時、チクリ・・・と胸が痛んだ。その痛みは一瞬で、それがなんなのか・・・今の私にはやっぱりわからなかった。


 深呼吸をして胸のドキドキを抑えると、

「えと……その、よろしくお願い……シマス。」

 と言葉を紡いだ。

 最後らへんは、ほとんど片言になってるけど。それでも、ちゃんと答えられた。男の子と話をすること自体が苦手な私にとって、これは大進歩だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る