第13話

 さらに数十分後、話をしている時だった。

 最初に気づいたのは雪ちゃん。

「あ、来た来た。」

 そう言ってカバンを奥の席に移動させると、席を立って店の入口に向かって行った。その間に私は、テーブルの上の宿題全部をカバンにしまった。そして、ノートと手帳と筆記用具だけの状態にしておく。

 それが丁度終わった頃に、雪ちゃんが幼馴染みさんと思われる人を連れて来た。

 その人は私と目が合うと、驚いた表情をした。そして、赤くなった顔を隠しながら私の目の前の席に座った。

 なんか、反応がかわいい。面白いな。

 それよりも、なんで驚いてるんだろう。

(会ったこと……あったっけ?)

 首を傾げてみる。けど、覚えてはない。


 今更な感じではあるけれど、ちょっとだけ体が震えてる。やっぱり過去の出来事のせいなのかな。

 この人は、あんな人たちじゃないと・・・信じたいな。


「桃香、連れて―――大丈夫?」

 雪ちゃんは私が震えてるのに気づいたみたいだ。私の手をぎゅっと握ってくれた。

「雪ちゃん……ありがとう。大丈夫だよ?」

「ほんとに?ほんとに大丈夫?」

 雪ちゃんの瞳が揺れる。私を心配してくれてる証拠だ。

「うん。けど、話が終わるまで側にいてくれる?」

「もちろんだよ!無理だけはしないで、ね?」

「うん。」

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