第11話

「いつもありがとうね、雪ちゃん。」

 暗くなった空気を変えるために、私は雪ちゃんにお礼を伝えた。

 案の定、雪ちゃんはきょとんとしてる。そりゃあいきなりお礼言われたら、誰だってそうなるよね。

「ど、どしたの?いきなりお礼なんて……。」

「ううん、ちゃんと伝えたかったからさ。いつもいつも側にいてくれて、支えてくれて……これでもすごく嬉しいんだよ?」

 雪ちゃんの表情が変わった。泣きかけてるみたいに、だけど嬉しそうな表情で。

「これでもって。一言余計だよ、桃香。」

「ごめんごめん。」







 そのあと、私たちは世間話をしながら雪ちゃんの幼馴染みさんを待った。

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