第10話

 そんな私のネガティブ思考を分かってたかのように、雪ちゃんの手が私の手をふわり・・・と包んだ。

「また……思いだしちゃったの?」

 雪ちゃんの一言で、私は現実に戻った。


 いつもいつも、雪ちゃんは気付いてくれる。今も、そして―――あの時も。

 そのおかげかな、私の不安はすぐに消えるんだ。親友様々だね、まったく。


「……うん。ダメダメだね~私。」

 そう言って私は苦笑した。コップの中の氷が、カランと音をたてた。

「桃香……―――」

「もっと、強くなりたいなぁ。とうにこれは過去の出来事だって、笑って答えられるくらいに……さ。」

 そんな私の言葉に、雪ちゃんの表情が歪む。

「っでも、あれは……だって、桃香のせいじゃないのに……っ。」

「それでも、だよ。私が、私自身が弱かったことに変わりはないし。」

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