第6話

「それで……その幼馴染みさんってどんな人?「

 コップに入ってるいつものジュースを飲みながら、私は訪ねる。

 すると―――

 雪ちゃんは、少し躊躇いがちに聞いてきた。


「ん~……ねぇ、桃香は、さ。まだ、男の子に……苦手意識、ある……?」

 と。




 その瞬間、体が硬直した。

 ううん、体だけじゃない。音も周りも、そして―――時間でさえも。

 ほんの一瞬だけ、止まった。

 ほんの一瞬だけだから、すぐに動き始める。まるで何事もなかったかのように。


 そして――私もそう。

「……うん。ごめんね?心配かけて……。」


 こうやって、何事もなかったかのように笑うんだ。

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