第9話 聞こえる声は 耳の貝+犯言+

暗い水音

彼方 ひとつ

棺にひとつ 落ちていた


嬉しぃくて

駆け寄る

僕の足元に

広がる

口から零れた花びら

くしゅり

赤*白*桃色*黒赤

臓物色の

花弁が舞う


その内

髪と骨と棺だけ砕け

花びら 残り

黎裟縛亞


転生したの

花びらに

だって 彼方だもの


貝から もれた

囁きは 彼方の声によく似ていたよ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

生と 死 表裏 箔對店主 @hacutai-tenshu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ