私は虫じゃない。


 こんにちは。木元です。こちら大阪は完全に台風が過ぎ去りまして、ハゲてなくても太陽拳が使えそうなぐらい、またいい天気となりました。ハゲと太陽拳は無関係でしたか。ドラゴンボールネタですね。


 五月辺りから職場に、虫がよく入り込むようになったんです。ハネアリとか、網戸をすり抜けるぐらいのちっさい羽虫。いつもの事なんですけれど、職場には虫が苦手な方が結構いまして、余りサイズのある虫に入られると、その度に職場が混乱するんです。手の平ぐらいのガとかがふよふよっと、蛍光灯につられて入って来た時にはもう職場の大凡の女性が、「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」と濁った悲鳴を上げ、地震でも起きたように机の下に隠れるか、咄嗟に書類等で頭を守りつつ身を屈めます。「虫ィ!! 虫ッ――、入って来たッ!!」「私無理です!」「めっちゃキモい!」


 男性でも虫が苦手な方は当然いますから、「うおおおっ」みたいな、低い悲鳴も上がりますけれど、このヒスッたような女性陣の悲鳴には敵いません。


 当然平気な方も、男女問わずいます。少ないんですけどね。例を挙げると、上司と私とか。

 

「おわあ。でかっ」


「ガですね」


 下界で叫ぶ女性陣を嘲笑するように、ふよふよと天井付近を漂うガを眺めながら、私と上司はコーヒー飲んだり仕事を続けていると、叫び続ける女性陣から声が飛びます。


「木元さァァん!! 助けてェ!!」


 こういう状況に陥った際、私と上司がよく虫の退治に向かうんです。揃って不在になる事は余りありませんから、その場に居合わせたどちらかが何とかするという流れが、気付けばいつもの事となっていました。そこに関しては私も上司も、特に不満はありません。我々にとっては些事なので。


 マジ顔で助けを求めて来たのは、かつて私に仕事を教えてくれていた先輩ですし(※冗談抜きに虫が嫌いで、殺虫スプレーが買いたいのに、殺虫スプレーの缶に刷られてる虫のイラストが怖くて買えない人)、「分かりました」とロッカーからホウキとチリトリを掴むと、その辺の壁に止まったガに向かいます。その間も、ガの一挙手一投足に反応する女性陣が悲鳴を上げ、アナーキーな空気が、職場に充満しつつありました。もうパニック映画の現場のよう。


 一度攻撃してしまうと飛び方が激しくなる上に、動きに不規則さが増すから、理想は一撃必殺。その為に狙うべきは……。頭? は、的が小さいから外すかもしれないし、保険をかけて腹? 壁が汚れる……。けど、掃除すればいいし。虫の脳って胸や腹にもあるから……。――アンパイで胴!


 とか何とか考えながら距離を詰め終えると、予定通りに胴体叩いて処理しました。キモチワルイと思われるので、その辺の描写は省きます。逃がしてあげてもよかったんですけれど、ガって害虫な事が多いので。幼虫の頃に作物の葉を食べるので、園芸とか畑やってる方には、困った奴なんですよねえ。因みに当時処理したのは、クスサンという名前をした、オレンジっぽい身体に眼状紋がんじょうもん(※生き物の身体に見える、目玉のような模様の事)の羽を持つ、十センチぐらいのでっかいガでした。幼虫の頃には確か梅の葉を食べるので、やっぱり農家さんには嫌われ者でしょうね。色んな葉っぱ食べるんですけれど。日本全国にいます。現れるのは秋から。多分皆さんも見た事がある筈。


 という事があってから私は、職場の方々に本格的にインセクトキラーと認識され、こう夏なんかになってくると「木元さん虫ィ!!」と、意味が分かるからいいものの、焦っているとは言え丁寧さが欠けた呼び方では無いのだろうかと思いつつ、処理に向かう訳です。最近よく見るのはゲジゲジ。ゲジゲジはちょっと、私もやだなあ。


 虫の話ばーっかりになってしまいましたが、久し振りに、『雪上の鎮魂歌レクイエム――黒き騎士と、灰越かいえつの調査団』、二日前ぐらいに更新しました。一章分纏めて更新。四話ぐらいでしたかね。章タイトルは、「chapter 14 鉄血酸鼻テッケツサンビ



『雪上の鎮魂歌レクイエム――黒き騎士と、灰越かいえつの調査団』


 https://kakuyomu.jp/works/1177354054884608636



 今後も、一章ずつ更新しようかなと考えてます。そう、本来はこの話がしたかった。



 では今回は、この辺で!



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