人間性を捧げよ。
コンビニでのバイト経験からの話なんですけれど、おじいさんの接客が苦手でした。
私が勤務していたコンビニは、田畑の真ん中にぽつりとあるような田舎の店でして、よく早朝勤務をしていた私の主な接客相手とは、運送業のおじさんか、建設業のおじさんか、若人からすれば何でそんなに早く起きてんのと未知でしか無い、おじいさんでした。特に入れ歯してないおじいさんってもう、接客難易度がHELLなんですね。既に加齢により呂律が怪しい上に入れ歯ナシですから、何言ってるのかホントに分かんないです。ワンランク下のBERRY HARDは、急いでるくせにてめーがもたもたして、勝手に不機嫌になって来る運送業か建設業のおっさんなんですけれど、そんな時は、揚げ物用か中華まん用のトングで、鼻をもいでやるイメトレにより、苛立ちを往なします。接客業なんて、いちいちイラついてたら憤死しますから。
特に簡単に立ち寄れて、すぐに買い物を済ませられる利便性が売りのコンビニの店員とは、本屋さんの店員さんなんかと比べれば、圧倒的に嘗められがちですしね。派遣で色んな職場に行った事もありますけれど、コンビニの店員って、低く見られがちな部分があるよなあと感じます。手軽なコンビニの性質から、「早くしてくれる」という意識が前提にあるようで、ちょっともたつくとすぐキレて来るんですよ。運送業とか土方とかの人が。私がかつて勤務していたコンビニ店ではストレスにより、心療内科送りとなった方が●人も出てマジ
それで、HELLおじいさんの話なんですけれど、その方は入れ歯してるのか発音はしっかりしていたんですが、会話が成立しないタイプの方でした。もう大分歳でしたし、ぼけが始まっちゃってたのかな。
コンビニって、揚げ物売ってるじゃないですか。唐揚げとか、フライドチキンとか。HELLおじいさんはいつも、フライドチキンだけを買いに来る方だったんですけれど、そのフライドチキンって、A味とB味があったんです。でも「フライドチキン」とだけ言われたら、どちらを提供すればいいのか分からないじゃないですか。だから私、「お味はA味とB味どちらにされますか」って、相手がご年配ですから結構ゆっくりかつ声大きめに訊くんですけれど、HELLおじいさんは「フライドチキン」としか言わなくて。
「えっ――。(即座に戸惑いを飲み込んで)A味とB味、どちらにされますか?」「あぁ? フライドチキン」
「いやあの(揚げ物ケースを手で示しながら)、お味がA味とB味があるんですけれど、どちらにされますか?」
「だからフライドチキン」
「(ふつふつと苛立ちが起きて来るのを感じ始めるしそもそもその商品の名前「フライドチキン」じゃない)……あの、だから」
「だからフライドチキンやって
GO TO HELL.
何か最近ラノベで、コンビニを設定に盛り込んだタイトルを見かけたんですよ。「へー。そんなん需要あるんや。コンビニでバイトした事あるし、うちも書いてみようかなあ」と、ちょっと考えてみましたけれどやめましたね。書けない事ばっかりですよ……。両手の中指立てながら、「こういう奴に限って常連で、誠にストレスでごぜーます」とか、タラタラタラタラ書く事になっちゃう。そういう店員達の生々しい声は、流石にカットしてるのかな。ラノベだし。
……何か私に似つかわしくない、ネガティブな内容になった気が。まァいいでしょうたまには。私も人間ですしね。小説でこんな陰湿な話を書いた事はありませんが、いつか書く日が来るのでしょうか。
では今回は、この辺で!
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