第11話 アスリートを信用してはいけない

アスリートを信用してはいけない。

アスリートの崇高な使命とは、体制側のプロパガンダとして利用される事である。

奴らは常に国家権力やスポンサーとなる大企業の代弁者であり、要するにエサを投げ与えてくれる主人に尻尾を振る飼い犬である。

生産階級たるあなたの英雄ではない。

奴らは所詮犬であり、ウンコ以外に何も生産しないのだ。



アスリートの言う事など相手にしてはいけない。

奴らは小さな頃からスポーツしてばっかりで読書などしていないので、何かを語れる教養など持ち合わせてはいない。

自分の自慢話(俗に努力論とか精神論と呼ばれる)と女の話と筋肉の話がせいぜいである。



アスリートの人間性を信用してはいけない。

うわべだけは聞こえの良い、努力や筋肉の尊さを語りはしても、所詮奴らは子供の頃から他人を蹴落とす事ばかり考えて、実行し、そして生き残った、いわば純粋培養された優生思想論者である。


スポーツ指導者共の尊大で意地汚い粗暴な態度を見よ。

教養に欠如し、善悪の観念が完全に狂ってしまった、鞭を振るわれて育った無知で無恥な人間の成れの果てだ。


私達はしばしば奴らスポーツ選手の英雄然とした振る舞いに自分を投影し、酔い痴れるが、だけど奴らも歳を取ればブヨブヨの薄汚いオッサンである。

官僚やプロモーターから見れば、アスリートなどただの肉体労働者にすぎず、私達人民はもう少し冷めた目でこの哀れな英雄たちを見つめる必要がある。



皆さんは、偉大な人民拳法家モハメド・アリの名言は御存知だろうか。

「俺はベトコンに恨みはねえ」


彼は徴兵拒否して大非難を浴び、チャンピオンの地位を剥奪され、収監された。

彼は、アスリートなどという客寄せパンダになるより、一個の人民である事を選んだ偉大な男だ。


アスリートであるべきか?人民であるべきか?

政府やスポンサーの言いなりになる事を拒んだアスリート達の「その後」について語られる事はほとんどないが、もし気になれば調べてみると良いだろう。

それが奴らの飼い主からの、あなたへのメッセージだ。

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