第7話 岩崎へ
(ネットのニュースから引用)
無差別殺傷を引き起こす絶望的孤独の正体
6/1(土) 11:15配信
プレジデントオンライン
(途中略)
■世界一孤独な国・日本が「岩崎容疑者」を生んだのか
許しがたき凶行であり、悲劇だった。どんな理由にせよ、生い立ちにせよ、絶対に許されるべきではない凶悪犯罪。しかし、その犯人は責めを負うこともなく、罪を償うこともなく、身勝手に命を絶った。(以下略
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手をなくしたベトナムからの帰還兵が空港で男に聞かれた。
「その手はどうしたんだ?」
帰還兵は答えた。「ベトナムで…」
「そうかい、いい気味だ!」
男はそう言い捨てて、去っていった。
望む望まざるをかかわらず、国家のシステムに組み入れられて犠牲になった者達には顕彰が必要だ。
これは善悪の話ではない。
必要なのだ。
でないと、今回のような事件が起きる。
まるでPTSDを抱えた孤独なベトナム帰還兵が銃を乱射した挙句に自殺するような!
さて、通勤ラッシュの満員電車の日本人の眼はまるでベトナム帰還兵のようだ、とある米国人が言った。
まさにその通り。
岩崎も、その一人だった。
あなた方だって、そうだ。
誰だってベトナム帰還兵で、そして日本は頑張って生きているあなた方を顕彰しないというのだ。
私は岩崎に心から同情する。
生きて居候だと嘲笑され、
死んで身勝手に命を絶ったなどと非難される。
生きて苦しみ、死んで叩かれる岩崎を死姦して楽しむマトモな日本人の方がどうかしている。
「絶対に許されない凶行」だの、「犯人の気持ちなど分かりたくない」だの義憤に駆られながら、その実 日本人の怒りは、より弱い者に向けられる。
彼のような不遇な者を数多く作り出して放置している日本が絶対悪でなくて、いったい何だというのだろうね。
人の尊厳を蹂躙して上等だと言わんばかりの態度を取る国家体制に加担して何一つ疑問に思わない日本人が絶対悪でなくて、いったい何だというのだろうね。
だから。私が身勝手に、岩崎を顕彰しよう。
私のことは、何とでも非難するといい。
私は、日本に加担することはやめた。
さっさと滅びるといい。
日本のためではなく、
人類全体の未来のために日本は滅びて欲しい。
岩崎よ、安らかに眠れ。
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