第3話 サタンでした

PM10:20 公園



凌のバイトはPM10:00からなので遅刻ですね☆

まだ公園にいる様子です。



「さぁて、どうするか…」


ようやく遅刻の言い訳を考え始めました。



「俺に召喚術の素養があったとは…」


違いました☆



「しかも出て来たのは見た目からして悪魔だよな…角生えてたし、額にSATANって書いてあったし…待てよ…!!」



何かひらめいたようです!



「俺お得意の物理的、数学的観点からいくとアイツは……サタンだな!うん、何度計算しても答えに狂いはない。サタンだ!」



鋭いひらめきです。



「サタンを使役するにはちょっとキツいよなぁ。あっ、そもそも詠唱で魔の王とか言ったからアイツが出て来た訳か。違うパターンも試してみよう!」



凌はまた魔方陣を描き始めました。


「よしっと!これでオッケーだろう。んじゃいきまーす。…四方の彼方に揺らめくは紅き光。安らぎを求む魂はやがて天空へと帰らん。我は天と地とを繋ぐもの。その力を以て深紅の光を此処へ呼び戻さん!」




グゴゴゴゴゴ…



!?




「キサマか?我を呼ん…」




凌は慌てて魔方陣を足で消しました。

またサタンでした☆(てへ)




こうなればもうやけくそです。

リセマラ続行です。




「荒ぶる波をも一太刀で分かつ剱。切先に託すは友の想い、民の願い。希望を抱きし戦士の誇りよ。永き時を経て再びこの地へと甦りたまわん!」




グゴゴゴゴゴ…



!?




「キサ…」


凌は慌てて魔方陣を足で消しました。



ソシャゲのガチャでキャラがだだ被りになったような気持ちです。



凌は魔方陣を地面からアンインストールして、また描き直します。



魔方陣を再インストール中…現在86%



ピコン!


インストールが終わったようですね!



「俺が使い魔にしたいのはもっと可愛くて、あわよくば使い魔との禁断の恋に落ちてしまうような、そんな感じのキャラだ。しかしこれはどうやらサタンを倒さねばリセマラする意味もなさそうだな…」



凌はもうわかっています。

この流れはどうせ次もサタンなんだろうと。



しかし、前以てわかっていることにあらかじめ対処できるのが凌です。


偉いぞ!



「でも数分前に魔術師見習い的なポジションになった俺にいきなりサタンを倒せるだろうか………!」



また何かひらめいたようです!



「こういうのは決まって召喚者に対面して召喚される&詠唱後、召喚されるまでにちょっとタイムラグがあるから、その隙に反対側に走り込めば後ろから攻撃できるはず……よしっ、作戦開始時刻はPM11時。以後、本作戦をフイウチ作戦と呼称します。」




不意打ちでした☆




作戦が決まれば後は実行するだけですね!


「雷鳴響くは北の空。轟音轟かせしは神の化身。その雷(いかずち)を以て愚かたる人々の争いに終止符をもたらしたまえ。出でよ、トール!」



後はお決まりのパターンを待つだけ!





グゴゴゴゴゴ…



「前方に高エネルギー反応。パターン青!サタンです!」


凌は魔方陣を飛び越し反対側へ!



「キサマか!…ってあれ??誰もおらへんやん!」



予期せぬ事態に普段使わない関西弁で思わずツッコミを入れてしまったサタンは赤面しています。


その隙に凌はサタンに膝カックンを仕掛けました!



「うおっ‼」


訳も分からずサタンが前のめりに倒れたところに不意打ちを仕掛けます。


「ちょっ!…なに?…何なのおまっ…痛いっ!痛いってば!角は止めてホントに!折れちゃうから!」






ー10分後ー


サタンはボッコボコでした☆


「すびばせんれした。」



「いや、別にいいんだよ?一回目は。なんで2回も3回も出てくんの?空気読めないの?」



「いや、あの、作者があと数回はいけるって言うのでその…」



「は?なに?」



「…すびばせんれした。僕が悪かったです。」



「で、どうすんの?」



「はい?何がでしょう?」



「いや、バイトもう始まっちゃってますけど?」



「えっ?…」



「店からめちゃめちゃ電話来てますけど?」



「あっ!…えっ!?それは、あの…どうすれば…」





ー更に20分後ー

バイト先コンビニ



「遅れてすびばせんれした。アルバイトの凌様の代わりに来ました。サタンです。」



サタンは凌のバイト先にいました。



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