第3話
叶えられた片手ほどの幸せと
叶えられなかった余るほどの夢と
どっちが重要かなんて
今更考えたところで
粒子が観測をすると結果を変えるみたいに
どこの視点から見るかが重要
言っちゃえばただ日々を生きてるだけで
言っちゃえばいつのまにかよくも悪くも結果が出てる
ただ漠然と日々を過ごしてるだけなのに
フと振り返ると、フと気がつくと、
いつも一緒だった誰かはいなくなってて
いつの間にか誰かは隣に寄り添ってる
そうして生きてる
誰が正解もどれが不正解も何もないのに
ただいつも過去へのたらればを捨てきれないのは
いつだって言葉を飲み込むからで
本音を言えば僕は薄っぺらく脆く愚かなことが露呈されてしまうのは明らかだからだ
四半世紀しか生きていないこの僕に
今誰が何を問いかけてるのか
今この試練がどういう方向性に僕を導くのか
そりゃあ出逢いがあれば別れだってある
実は幸福の渦の中心にいる時には誰も気付いてないだけで出逢った瞬間からもうその人物との別れは始まってて
出逢った瞬間からもう別れへの秒針は時を刻んでいる
どんな人でも、どんな出逢いでも
疑って信頼して
裏切って裏切られて
漣と荒波を繰り返して
尖った部分は丸くなり
未熟な部分は鍛錬されてそうして生きてる
僕らはなんて汚れてて
なんて無垢なんだろう
シュレディンガーの猫という実験がある
まぁその実験自体、実行はされてはないあくまでそういう例えばという仮定の実験だ
1つの箱に1匹の猫をいれる
その箱に蓋をして密閉した空間に有毒なガスをチューブから入れる
すると猫は5分後、
どうなっているか
この時点で推測されるのは、
『生きてる』かもしれないAの結果と
『死んでる』かもしれないBの結果と
がある
本来ならばありえないはずのその2つの結果が並行して存在する
その箱の中身を見るまでは
その箱の中身を見て初めて、
生きてるか死んでるか
そのどっちだったかがわかるのだ。
噂なのか真実なのかは
箱を目の当たりにするその瞬間までは
曖昧で明確なものなんてない。
僕はもっと自由になりたい。
もっともっと後悔とかそういうのを切り捨てて、
僕はもっと自由になりたい。
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