第2話
夜の帳が降りる頃、僕は抜け殻になる。
暗闇の中はどことなく優しさを含んでいるようで、
自分の未熟さや、どこの時代にもどこの型にもハマらない不良品のような脆弱さをしっとりとした漆黒に紛れさせてくれる。
このまま夜の闇に溶けてしまえたらいい。
そこはかとない不安すらも
考えなくていいと言ってくれてるようで落ち着く。
辟易してしまいそうな世の常々と、
なんと無情な時間と過去の亡霊よ。
あの幽閉されたような…独特な閉ざされた世界は四面楚歌で幕を閉じた。
アイデンティティを見失う世界の存在を知った。
きっとあの世界は洗脳だ。
もしかすると、
あの世界じゃなくても
1つの小さな社会で生き抜くこと自体が1つの洗脳なのかもしれない。
生きることは、
きっと何処かの誰かの、
或いは何処かの社会の、
洗脳なのかもしれない。
まぁあの世界は特殊すぎるにも程があったが、底辺を見たようだ。
そしてそこにいた頃の僕の感情と滞っていた血が逆流してくるかのようなこの感覚は
いつか名前が付けれたらいい。
日曜の朝は太陽の存在をありありと見せつけ空気の質感を感じさせ、
僕の心拍数を上げてさらに高揚感をくれる。
毎日そんな日になればいい。
何かへの期待感と爽快感と心の隅々が朝の光に満たされてゆく感じだけはたまらなく好きだ。
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