第5話 暗殺者キングの華麗なる一日

 ランク一位キングの朝は大分遅い。


 特に起きる時間など決まっておらず、挙句の果てには夕方頃に起きることだってザラにある。


 彼の家は所謂豪邸と言っても差し支えなく、三階建ての一戸建てに一人と三十匹とで暮らしている。因みに言うが三十匹の内訳は言わずもがな全てが猫である。


 三階建てのうち、一階は主に自分の階、二階は丸々猫の階である、本人は猫オンリーの動物園とか馬鹿げた事を言っている。


 そして三階は仕事関連、暗殺に使用する武器や、その他諸々を管理する部屋である。


 何はともあれ、仕事がオフ、つまり依頼が全く入っていない時のキングのプライベートはほぼ全て猫に費やされる。

 まず初めに二階に降りた途端三十匹の猫の名前を凡そ五秒で全て言い終える、もはや呪文のようであるとここに記しておく。


 そして一匹ずつ、二十分ほど撫で回す事三十セット、エサをあげながら猫を撫でる彼の姿は男と言われなければ美しい女性が猫と戯れているように見える。


 しかし勘違いしないで欲しい、彼は紛うことなき男であり、しっかりとち〇ち〇も付いている。


 因みに三十匹の猫は全てメスなのであるが、これは深く追求しないでおこう。



 ××××××××



 彼は散歩が日課であり、その時にも欠かさず猫を連れる、しかし三十匹全て連れるのではなく、一回の散歩につき十匹と定めている。


 しかしながら、家に帰る頃には何故か猫の数が倍以上に増えているのは謎である。


 そんなもはや異常な程猫を連れて歩く彼は、近所ではかなり有名で、近所のマダム、それと子供から『ファッションキャットウーマン』、略して『ファットウーマン』何て呼ばれている、しかしまたもや勘違いして欲しくないのが、


 ……彼は紛うことなき男であり、しっかりとた〇た〇も二つ付いているということだ。


 散歩を終え、家に着くと彼と三十匹は入浴タイムの時間だ、豪邸ならではの広々としたお風呂で猫達と共に浸かるお湯に入るのが、一日の中で最も幸せな時間らしい。


 そしてその後の掃除が一番めんどくさいらしい。



 入浴が終わると彼と三十匹は共にご飯の時間だ、ご飯は、何でも組織に作らせた特注の、人間でも食べれるキャットフードだ。


 彼曰く、『猫達と同じご飯が食べたい!』


 もはや異常を通り越して、未知である。


 そして就寝時間には週ごとに決められた五匹の猫を一階に連れていき、キングサイズのベットで眠りにつく。


 その寝顔はとても幸せそうで、とてもランク一位の暗殺者には見えない。



 しかし勘違いしないで欲しい。






 ……彼は紛うことなき男であり、


 凡そ五百を超える人数を暗殺してきた、


 暗殺者キング

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