再開
周りがいっていた様に実際に転校生はやってきた。それもかなりの美少女だ…長い黒髪に整った顔つきまるでアニメの世界に出てくる様で傷ついていた俺でも見とれてしまう程だった。
「よろしくお願いします今日転校して来た佐藤 くろて言います」
彼女がくろと名乗った事で俺は更に彼女に興味をもった。
そして次の瞬間その興味は驚きに変わる。
彼女がこっちを見て少し驚いた顔をした後急に泣き出したのだ。
周りの男子からは、睨んだと言われたが全く身に覚えがない。
少し泣いた後、彼女がこちらに向かって走ってきた。
「ずっと…ずっと会いたかった!」
そこで俺は確信した。彼女は昨日別れたくろなのだ。
それから俺たちは二人で泣きながら抱き合っていた。
そして少し落ち着いたところで彼女は先生に、示された席に座った。
それからは何事も無かった様にみんな集中して午前の授業を終わらせた。
そして昼休みに入るとすぐ周りの女子達に二人の関係などを聞かれた。俺はなんと答えていいかも分からずにくろを連れて教室から逃げ出した。
「はぁはぁ、ここには誰も居ないみたいだな」
「うん!楽しかったね」
なんと呑気なんだ。
「それでくろはどうやって人になったの?」
「えっとねあの日どうしても早く会いたくなって家を抜け出したのそしたら見事に車にはねられちゃって」
なんとかなり衝撃的な事をいってく。
「え?大丈夫なのか?」
俺は気になり更に質問を続けた。
「うんうんそれで死んじゃったんだ」
彼女が俯いてそう口にする。
「でもでも神様に会ったの!」
彼女は食い気味に続ける。
「そしてねどうしてもってお願いしたの!そしたら好きな人と一緒に過ごした時間だけ人として生かしてあげるって」
それは彼女にとっては希望だったのだろう…だが俺からしたらそれはたった1ヶ月という短い期間だった。
俺は苦笑いしながら
「じゃあいーっぱい二人の生活楽しもうな!」
この時俺は決めた。彼女の短い期間を他の誰の人生よりも最高のものにしようと。
「うん!」
彼女のとても嬉しそうな返事が、人気の無い屋上にこだました。
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