第18話
「…死んで…なか…た…。」
「真彩!!」
先程のカフェに居たのは真彩をDVしていた元彼だった…。
「…なっ…んで?」
「ごめん。あの日、お兄から自殺したって聞いたんだけど、後日息ふきかえしてたの…。」
「あの人が…。」
「真彩!!お願い。先輩を思ってよ!!」
真彩はそのまま戻ることなく、枝理の運転で家に帰った。
事の事情を真彩の親に説明して、またしばらく休むことにした。
いつものようにスーパーで働く枝理は大分元気がなくなっていた。
「山田。」
「先輩。」
「佐原は?」
「休んでます。」
「呼んでくれたら…ごめん。」
「こちらこそ。」
一応、伸也にもあったことは伝えていた。
「山田は大丈夫なのか?」
「何にも問題なく。先輩。」
「何?」
「ちゃんと答えて下さいね。」
「うん。」
「好きな人って真彩ですか?」
「そうだよ…。」
伸也はとても真剣なまなざしでそう言った。
「全てを知っててですよね。」
「当たり前。クリスマスに告ろうかと思ったけど厳しいかもな。」
「すいません。」
「山田の責任じゃないよ。…佐原にバレてる?俺の気持ち。」
「ないです。真彩は超が付くほど鈍感なので。先輩。私が言って変わるモノではないかもしれませんけどクリスマスまでに真彩が戻ったら告白してもらえませんか?」
「言われなくても。」
「真彩の手。何があっても離さないで下さいね。」
「当然。」
伸也は帰っていき、枝理はその日仕事が終わると真彩の家に直行した。
「こんにちわ。」
「枝理。いらっしゃい。」
真彩は以前と変わらない普通に戻っていた。
「あれ?真彩?」
「何?」
「いや。元気だね。」
「?元気だよ。どうかした?」
「昨日あいつと会ったから…。」
「もう全然。気にしてない。」
「そっか。なら良かった。」
「ありがとう。心配してくれて。今日は年のため休んだだけだから。」
「そう。」
「今日、カウンセラーさん来るから。」
「あっ。ごめん。」
「全然。明日は仕事行くから明日ね。」
「待ってる。」
「うん。」
枝理は帰って行った。
真彩はこんなことを思っていた…。
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