第15話
あれから更に数カ月
ここは枝理が勤めるスーパー。
「枝理。」
「真彩!?大丈夫?」
「そんなに驚かなくても。今日、暇?」
「良いよ。体大丈夫?」
「問題ないよ。この間の検診も異常なしだったから。」
「そっか。気晴らしに出て来たの?」
「戻ってこようと思って。契約更新みたいな?」
「そっか。もうちょっと待ってて。」
「うん。」
「真彩。先輩は?」
「今日いないよ。」
「分かった。」
真彩は裏方の休憩室で時間を潰した。
久しぶりなので色々聞いてくる人も居たが、ほとんどの人が会釈程度だった。
「お待たせ。真彩。」
「ごめんね。急がせた?」
「全然大丈夫。」
私服に着替えた枝理が来て2人で近くのカフェに行った。
「どうした?」
「何が?」
「何か話があったんでしょ?」
「…わかんない。」
「今の気持ちから逃げるために再開するんでしょ?」
「…本当だと思いたくない。今の関係が良い。」
「でもさ。先輩もイケメンだし、優しいからモテるよ?」
「いいよ。私は誰かを幸せにしてあげられる力はない。」
「それは男の役目でしょ?」
「…うん。けど女の方も頑張らないと。」
「真彩は頑張りすぎ。」
「何も頑張ってないよ。自分がやりたいようにやっるだけ。」
「でも、それをどう捉えるかは相手次第でしょ?」
「そうだけどー。」
「私の勝ち。まずは気持ちを認めたら?最初なら反対したけど今なら応援できるよ。」
「何で?」
「顔だけだと思ったから。ナルシストっぽいし。全然だったけどね。」
「思った。女遊び激しいのかとも思ったよ。」
「分かる。全然だったよね。」
「逆に良い意味で引いたよ。」
「ねー。」
真彩は天井を見上げた。
「どうした?」
「幸せが恐い。」
「真彩…。」
「ごめん。今の忘れて。」
「大丈夫だよ。」
「ありがとう。」
「真彩。私も先輩も居るからね。」
「2人でデート?」
「先輩!?」
「よっ。」
カフェで休憩していたら伸也がたまたま来た。
「俺には誘いナシかよ-。」
「女同士の話ですから。」
「気になる-。」
「まぁまぁ。」
「ねぇ。」
「あー悪い。」
伸也の後ろから綺麗なショートカットの女性が現れた。
「枝理。帰ろう。」
「…まぁ話も終わったしね。」
「じゃぁ、またな。」
2人は会計をしてカフェを出た。
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