第8話


「おかえりー。」


家には枝理が待っていた。


「ただいまー。」


カバンやら上着を部屋に投げてシャワーに入った。


枝理はソファーで寛いでいるだけ。


真彩がシャワーから出て来ると、枝理に抱きついた。


「どうした?」


「疲れただけ-。」


「お疲れ様。」


「枝理。」


「何?」


「真山伸也。どう思う?」


「…好きにでもなった?」


「なりたくない。心の裏が見えないの。何考えてんのか分からない。」


「出入り禁止すれば?」


「でも話したそうだったのに失礼じゃん。」


「なら納得するまで観察したら?またお店行くって言ったじゃん。どうせ真彩の事だから律儀に守るんだし。」


「だって行くって言ったのに行かないのは失礼でしょ。」


「そうですね。」


「ラーメン食べたい。」


「太るよ?」


「誰が?」


「私が。」


「良いじゃん。」


2人はすっぴんのままラーメンを食べに行き、帰ってくると他愛もない話を始めた。


「あっ。明日、この間の検診の結果来るよ-。」


「めんどくさっ。」


「真彩さ。」


「ん?」


「たまにおっさんになるじゃん。」


「枝理の前だけね。」


「出したら?普段から。」


「やだ。」


「あっそ。」


「枝理。」


「何?」


「枝理ならどうする?」


「んー。納得いくまで相手のペースに合わせるかな。」


「やだなー。」


「じゃあ止めたら?」


「それは失礼でしょ。」


「何が引っかかってんの?」


「…友達って言ったの。」


「あー…。」


「私は異性の友情はありだと思う。」


「うん。」


「だけど友達としてって、どう対応したら良いのか分かんない。」


「普通で良いんじゃない?」


「普通?」


「そう。普通。固く考えすぎだよ。」


「うーん。」


「よし。寝よう。」


「何で?」


「悩んでも分かんないから。その時は寝るのが一番。」


2人はそんな話をしながらも笑い合い、眠りについた。


と、言っても。

2時間程度。



朝火が登り、2人は仕事の準備を始めていた。


「今日は何も受けないんだよ-。」


「頑張ります。」


「私は今日、棚卸しだから一緒に帰れないからね。」


「はーい。」


「お昼は一緒に食べよ。」


「うん。」


そんな話をしながらスーパーに出勤する2人。


お店に到着すると、真彩だけ健康管理部の人に呼び出された。

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