五行について ⑧五行と味その他
五行思想における季節や方角の割り当ては既に述べた通りです。しかし、味とか臭いとかも五行思想に則って分けられておりまして……。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
五味①| 酸 | 苦 | 甘 | 辛 | 鹹 |
②| 酼 | 酒 | 蜜 | 薑 | 塩 |
五臭 | 羶 | 焦 | 香 | 腥 | 朽 |
五穀①| 麻 | 麦 | 米 | 黍 | 大豆 |
②|
③|大小麦| 𪎭黍| 稷栗| 胡麻|大小豆|
五果①| 李 | 杏 | 棗 | 桃 | 栗 |
②| 子 | 核 | 房 | 皮 | 殻 |
③|
五菜 |
五畜 | 犬 | 羊 | 牛 | 鶏 |
五石 |
五草 |五味子|天門冬| 茯苓| 桂心| 玄参 |
五虫 |
諸説を合わせたらこんな感じになりました! 五穀と五果の①と③は「種類」を五行に則って配したという感じですが、②は「部位」を五行に則って割り当てた、という感じがしますね。また、五果の②と③は微妙にリンクしている気がします。桃と李と核、柑橘と皮、胡桃と栗と殻、ですし。
あと、五虫の金はほんとうは虫へんに困という字だったのですがどうしても変換できなかったので、上記のように表しました。甘くて香ばしいとかクッキーやんと思ったのは内緒です(そこに米が絡んできたらポン菓子ですが)。
……現実から逃れるのはこれぐらいにして、以下で分かりにくい語の説明をしていきます。
木
芒 ……米や麦の実に生えている毛のことでしょう。
梨㮏……㮏はカラナシ(カリンの別名)や紅リンゴ(リンゴの別名)のこと。
曽青……上質な緑青。
火
散……なぜ「散」なのか。私にはちっとも分かりません。でも、土の「萃」もまた部位ではなく様子を指しているとしたら、何かしらの関係があるかもしれませんね。
※補足1
この回を書き終わってから読みだした本「前近代東アジアにおける<術数文化>」に「散」は「伸び散らばっている植物」だと載っていました、ヒャッハー!!!!! なら納得できますね!!!!!
𪎭黍 《びしょ》……きびのこと。ただし、𪎭は粘りが少ないものを、黍は粘りが多いもののことを言う。
土
萃……どうも草木の(茂った)様子を表す語のようです。現代中国語においては、「群がり集まる」という意味もあります。
※補足2
「前近代東アジアにおける<術数文化>」では「萃」は「細かな粒が集まっている植物」とありました。
稷栗……稷はきびや粟のこと。また、五穀の神やそれを祀るところをも指します。
蜚零……蜂の一種である土蜂の別名。「蜚」そのものはアブラムシやイナムシのことを指すようです。
金
蚿「虫困」……ヤスデやタイコ虫のこと。現代中国語では「蚿」だけでヤスデという意味があるから、「虫困」は=タイコ虫のことかもしれません。
水
赤石脂……中国の六朝時代に流行したオクスリである、五石散の原料の一つ。酸化鉄を含む土のこと。漢方では止血などに用いられる。
最後に一つ言っていいですか? ……これ、特に後半はほとんどこじつけじゃね!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます