五行について ③十干十二支の十干

 今回は私が参考文献を読んでいて、最初に挫折しそうになった干支かんしところです! ……大威張りで言うなって感じですが、このままのテンションで突っ走ります。


 まず、干支とは何かについて説明していきます。干支は伝説によると、黄帝の時代に五行思想に基づいて作られた数え方です。同じく伝説によると、まずは日を表す十干が作られ、次に月を表す十二支が作られたそうです。もっとも、十干十二支の起源の方が五行説よりも古いそうなので、この伝説を本気にしないでください。あくまで五行思想においてはそう述べられていた、というだけです。

 ちなみに、その字の形からも連想できることですが、干=幹としたら、支=枝であり、まさしく樹の枝と幹のように二つで一体を成すものでもあります。


 十干=きのえきのとひのえひのとつちのえつちのとかのえかのとみずのえみずのとの五行思想における意味は以下のようになっております。

 ちなみに、十干は


 五行 |  木  |  火  |  土  |  金  |  水  |

 陰陽 | 陽 | 陰 | 陽 | 陰 | 陽 | 陰 | 陽 | 陰 | 陽 | 陰 |

 十干 | 甲 | 乙 | 丙 | 丁 | 戊 | 己 | 庚 | 辛 | 壬 | 癸 |


 というように五行に属しております。


 甲(jiǎ)=押(yā)。押は(固い殻に)抑えて封じこめる、春になると開き冬になると閉じる、の意味。物を入れる匣(xiá)や動物を入れて動きを封じる檻である柙(xiá)と同じ。つまり甲とは種である。また甲は抽(chōu)=引き出す、抜き出す、発芽するでもある。


 乙(yǐ)=軋(gá/ yà/zhá)。春になり、万物が種の表皮を解き、中から擦れ合いながら抜け出すことを意味する。


 丙(bǐng)=柄(bǐng)。夏になり万物が成長し強大になると、火が燃えるように両側に広がること。万物が種子から抜け出して勢いよく繁ること。


 丁(dīng /zhēng)=亭(tíng)。一か所にとどまっているような状態の意味。万物が成長していくと、ある時期留まろうとするものである。


 戊(wù)=貿(mào)。成長が極限に達すると、それまでの体を(yì)えなければならない、の意味。


 己(jǐ)=紀(jǐ/jì)。筋道の意味。万物が始めてる時には筋道があるため。万物はすべからく枝葉を茂らせるが、その中で特に優れたものは曲がりながら伸びて起こってくる。


 庚(gēng)=更(gēng/gèng)で、辛(xīn)=新(xīn)。二つとも万物が成長して変化し、新しいものに変わるという意味。

 

 壬(rén)=任(rèn/rén)で、癸(guǐ)=揆(kuí)。二つとも陰気が陽気を孕み、規則正しく万物を萌芽させるという意味です。


 ……十二支も説明するつもりでしたが、文字数は少々寂しいけれどキリがいいので今回はこれで終わりにさせてください。

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