第33話 またっすか?!
コノハと別れた後は、ただ町をまわっただけだった。一人で感心したり、驚いたり。楽しい時間はすぐ過ぎる、なんてよく言ったものだ。いつのまにか刻は、17を過ぎていた。そろそろ師匠も家にいるだろう。そう思い家に戻ろうとすると、
「あ!おーーい、カアレ。探したよ!」後ろから声がした。見ると額に傷こそあるものの、晴れやかな顔をしたレイジがいた。
「昨日はありがとう。本当に助かったよ」
「いや、別にいいよ。どうせ、もう二度とできない体験だろうしね」と言うと、少しレイジの顔が曇った、どうしたんだ?
「そういやレイジさ、昨日の夜‥大丈夫だった?一応あの人、厳しいときは厳しいし、その傷って‥」でも、レイジは笑って、
「厳しい?あの人が?はは、カアレは何をしたんだ?あの人は、罰だ!なんて言いながら、僕に"剣"を教えてくれたんだ。クルスさん達とは違う、本当の"剣"を‥‥。あんな人に教えてもらえるカアレは幸せ者だぞ?」
レイジの顔を見る限り、嘘じゃないな。(当たり前だが)聞けば、傷も知らぬ間にできていたらしい。
「それで‥‥僕は今日もタスクさんに呼ばれていてね。だから‥その‥今日も行ってきてくれないかな?」
え?今日も?マジ?
でも、納得した。だから、"二度とできない"って言った時に顔が曇ったのか。でもなぁ‥‥‥。
オレは少し考え、
「分かったよ‥。まあ、師匠に呼ばれてるんだから仕方ないな。」覚悟をきめた。まあ、薄々そうだろうとは思ってたし。
そうして、レイジは罰の準備、オレは花置きの準備へと、取りかかった。師匠は飯をレイジと食べるらしい。好都合だ。オレとしても、仕事がしやすい。
そんなことを思いながらオレは、今日も草と水を貪るのであった‥‥‥。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます