第29話 動乱の昼その2

「ゴン!!!!」

勢いのある音が響いた。てか、オレ死んで無い?!どういうことだ?!オレは目を開くとそこには、

クルスの剣を弾き返した師匠がいた。

「貴様ら、無抵抗の人間に暴力を振るうのがそんなに楽しいのか?」師匠は、クルスとシウラを睨みつけていた。

「い、いや、違うんスよ。タスクさん!こ、コイツが、レイジが"ルール"を破ったから」

「ほう、そのレイジとやらが"ルール"を破ったなら、俺の弟子を殺してもいいのか」

「い、いや‥それは‥‥‥。」

「それとも、"ルール"と言えば、関係のない人間を殺してもいい。それが貴様らクズの掲げる"ルール"か?」

師匠の問い詰めに怯える二人は、とうとう言葉を無くしたようで、

「「す、すいませんでしたぁ!!!」」

と、走り去って行った。

「レイジとかいったな、安心しろ。あいつらの事は、騎士長に報告する。お前の‥‥師匠?も少しはマシな奴になるはずだ。」

ぐったりしていたレイジも体を起こし、

「ありがとうございました!!本当にお二人がいなければ‥‥、僕は‥‥‥‥。」

「勘違いするな。お前は、"ルール"を破ったのだろう?夜に俺の修練場に来い。みっちり鍛え直してやる。」そう言って、師匠は、その場を後にした。

なんというか、圧巻だった。大人になっているとはいえ、オレもまだまだ未熟らしい。

「あの‥‥君、あの時は、ありがとう。君がいなかっから、僕は死んでいたかもしれない、本当にありがとう。」

レイジがオレに礼を言ってきた。いや、解決したのは、師匠だから、オレに言われてもなぁ‥‥。

とはいえ、オレはレイジを助けたんだ。

あの時の弱い自分を‥‥変えられたんだ。

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