第28話 動乱の昼その1

足の痛みを我慢し、俺が着いた先は、この町の隅、好き勝手に剣を振り回すクルスとシウラになすがままのレイジ。

‥‥‥大丈夫だ。俺は‥やれる!‥‥。

「おい、貴様ら。ここで何をやっている」

「いっや〜、違うんスよ、タス‥‥‥」

「待って!!」オレは、考えるより先に行動していた。体を大の字にし、レイジを庇っていた。

「この人は、"ルール"を破ったよ。けど‥‥‥ここまでする必要無いだろ!!」

オレは、自分の思いをぶつけた。だが‥

「無いだろ?生意気なガキだなァ‥」

「てかァ、なんで知ってんだァ、コイツ?まさか、コイツも"ルール"破ってんじゃねェのか?へへ」しまった。完全に先走ってしまった。これじゃ、ただの怪しい奴じゃん。

「ま、いいぜ。とりあえずそこをどけ、ガキ。3つ数える前にどかねぇと頭割れるぜ?」

そう言い、クルスは剣を構えた。マジ?

でも‥‥ここまで来たんだ。守り抜かないと、オレのプライドが許さねぇ!

「い〜ち」

どうやら、カウントが始まったらしい。大丈夫、ガキ相手にそこまで‥‥‥。

「に〜い」

クルスの顔は、笑っている。そこで、オレは直感した。きっと、人間というものは、正当性というものがあれば、何をしてもいいと思うんだろう、こいつらのように。

今、それが分かるなんて、笑えるなぁ、

「へへ‥‥さん!!」

そこで、クルスは思い切り剣を振り下ろした。やべぇ、こりゃ死ぬな。次もやり直しできるなら、もう少し上手くやらなきゃなぁ。

剣が当たると感じた時、オレは反射的に目を閉じた。

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