第19話 未来

いつだろう、オレは誰かに言った。

"悪魔を倒せ、ボクも行くから"

だったっけ、あれからもう10年になるのか‥


突然だが、自己紹介。オレはカアレ。子供の頃は、そこそこ可愛かったらしいが、今では覇気のある青年らしい。町一番の剣士とか、神剣だなんて言われていたオレもとうとうこの時がやってきたんだ!

「今日でオレも‥‥悪魔討伐だぜ~!!」

「良かったですね!!師匠!」

マランも喜んでくれた。‥おっと、マランというのは、オレの弟子。1年前ぐらいに選ばれた小さな剣士だ。昔のオレに似ているらしいが、オレはこんなに可愛くはない。

話が逸れたが、今日は念願の選別。天門の近くに行き、挨拶回り(面倒だなぁ)をしていると、声をかけられた。

「あれぇ~、遅かったじゃん、今日の主役さん?」

そう、いつもこんな感じで絡んでくるのは···

「やめてくれ、コノハ」

そう、コノハ。オレの親友っていうんだろうかな。昔の頃とはそんなに変わってないのに、町一番の美人とか言われてるらしい。オレはそうは思わないが。だから、豊満な胸に目が行くのも、きっと気のせいだ。

「いよいよ‥今日なんだね。‥‥‥私ね、カアレが」

「あぁー!ストップ、ストップ!言わなくていいよ、寂しいとか言うんだろ?大丈夫だって、悪魔とかいう奴らは、この聖剣士カアレ様が、ちゃちゃっと倒してきてやる。‥‥だから、安心して待ってな」

そう言うと、コノハはからかい気味に、

「寂しいわけないし、聖剣士なんて、だ~れも呼んでないよ?自惚れすぎて死んじゃうとか、やめてよね〜」

まじか、格好つけたのに。どうやら別れの挨拶的なものじゃなかったらしい。

そうした、他愛ない会話をして、オレは天門の近くへと足を運んだ。

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