第14話 選別

ボクは家に戻った。部屋が暗いので、師匠はまだ帰っていないらしい。

なんだか疲れたので、一人で飯を食べ、すぐに眠ってしまった。

(それにしても、今日はいろんなことがあったな‥。もしかしたらこんな日が続いていくんだろうか?この世界は今日みたいな日ばかりなのかな‥‥)

そんな疲れる世界は、遠慮したいものだ。


朝。ボクは目覚めると鎧を着て嬉しそうで悲しそうな表情のおっさんを見つけた。というか、ボクの師匠だった。何事だろう。

「?、どうしたの、師匠?」

そう聞くと、

「いいか、カアレ。よく聞くんだ。実は」

「実は?」

「実は‥‥!」

かなり溜めてこう言った。

「ついに‥ついに俺も悪魔と戦える日が来たんだ!!」

‥‥え?

「そ、それって‥つまり」

そう、長年の努力の末、師匠はついに、選別されたのだ。だから、悪魔と戦うことができる、そういう事だった。だが、師匠は、

「で、でもな!俺は‥ここにいようと思う。何よりも、お前が心配だからな」

そう言った師匠は笑っていた。まるで、ボクを気遣うように。昨日の事を考えているんだろう。でも、この時のボクは素直じゃなかった。ガキらしく、まがままを言っていれば良かったかもしれないのに‥ボクは‥‥‥。

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