第13話 救い
ボクは驚いた。そんな訳がない、ボクはレイジという若者を見捨てたんだぞ?優しい人間だというのなら、必ず止めていたはずだ。
「ボクが‥優しい?そんなはずない!ボクは‥助けられな······」
そう言おうとしたボクをコノハは遮り、
「助けられなかった。って言おうとしたでしょ?でも、ちがうよ」
「で、でも!‥"やめろ!"って言ってれば‥」
何かは変わる。そう思っていたボクにコノハは語りかけた。
「いいや、変わらない。考えてみて。やめろ、って言ったとき、罰の邪魔をした、"ルール"違反だ、って言われたら?それこそ、カアレくんが殺されちゃうかもしれなかったんだよ?」
コノハの顔は少し真剣なように見えた。
「‥じゃあ、師匠が止めなかったのは」
「多分、君を危機にさらしたく無かったんだと思うよ?あくまで推測だけどね?」
そう‥なのか。ボクは師匠に直接聞いた訳でもないのに、何故か納得ができた。安心できた。
「そもそも、話したことのない人の死を見て、こんなに悩んでくれる人、なかなかいないんだよ?」
そう言って、コノハは満足げな笑みを浮かべて、
「私には"ルール"ってよくわからないけど‥カアレくんは立ち止まらず進み続たら?そのうち、答えが見つかるかも。"ルール"を無くすことだってできるかもよ?」
そう言った。
落ち着いたボクとコノハは、ボクの家に行った。コノハは、ボクを送るために来てくれたらしい。
「じゃあね」
コノハは、帰って行った。なんだか、心が軽くなった気がした。コノハには感謝しきれないな‥‥。早く家に戻って明日にそなえないとな。
レイジの分も頑張らないとな。
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