第8話 異変

朝。ボクは起きてすぐ飯を食べ、修練場へ向かった。なぜか?答えは簡単。ボクは寝坊というものをしたらしい。急がなくては。

さんざん走って、修練場に着くと、すでに師匠が待っていた。やはり師匠は怒っていて、

「遅いぞ、カアレ!今日は厳しくいくからな!」2日目が最悪の形で始まったのだった。

どのくらい経っただろう。

「よし、一旦休憩だ」

師匠がそう言ったのだが、

「え?」

ボクは驚いた。もう休憩なのか?まだ半刻しか経ってないんじゃ‥。と思ったが、刻はボクの思っているより進んでいた。どういうことだ?

「師匠、もう休憩ですか?」

改めて聞いてみると、

「ああ、そうだが‥どうしたんだ?」

「いや‥まだ半刻しか経ってない気が‥」

「あぁ、そういうことか。カアレ、それはお前が成長したってことだ」

「成長‥ですか?たった1日で」

「ああ、もちろん。俺もここに来た2日目には、片手で剣振り回して、父さんが喜んでたっけなぁ」

昔話はいいとして、ボクも師匠と同じことになっている。ボクも昨日あれだけ重かった剣は片手で振り回す事ができる。コノハの言っていた通り、"飯をたくさん食べる"ことをすればこんな成長ができるのだろうか。

そうして、休憩を終えたボクと師匠は打ち合いを再開した。互いに打ち合い続け、14刻、"それ"は起きた。遠くの方から怒声とガツンという鈍い音が聞こえた。ガツン、この音をボクは知っている。そう、剣が体にあたる音。だが明らかに様子が違う。師匠を見るといつになく真剣な顔で、

「カアレ、行くぞ」

とだけ言い、ボク達はそこへ向かった。

そこは墓近くのこの町の隅。ボクの目の前には、昨日の金髪の若者とニヤニヤしながら剣を弄ぶ二人の男。だが、金髪の若者はボロボロでその場に倒れこんでいる。この時のボクには、この物事がなんなのか、よく分かっていなかった。

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