第3話 騎士長

この町の造りはだいたいわかった、ボクの家を中心とすると(実際に中心の位置だが)周りは住宅、北のほうに天門、南東に牢屋、墓があり、東のほうに風呂屋。

「どうだ、カアレ、気に入ったか?」

正直、めぼしいものは無いが、退屈はしなさそうだ。

「はい!良いと思いますよ!」

少し過剰気味にこう答えた。すると、師匠を呼ぶ声が‥。

「お、元気にやっとるか?タスク」

声がした方を見ると、タスクより、老いていてそれでいて小太り、でも威厳のある見た目の人がやって来た。

「あれ?」

思わず、ボクは驚いてしまった。なぜか、その人の左頬にアザがあったからだ。何かあったのだろうか?

「カアレ、紹介するよ、俺の親父的な父さん的な父親的な存在。騎士長のサウドさんだ。挨拶をしておけ」

いや、父って何回言うのさ‥‥。

「は、はじめまして。師匠の弟子のカアレです!よろしくお願いします!」

「うむ、礼儀正しい子でなによりだ。よろしくね」

これが、騎士長。優しい人‥だと思った。

そして、タスクが最も気になっていたことを聞いてくれた。

「てか、父さん」

あ、父さんって呼ぶんだ。

「また、修練場でやられたのか?その傷。天門、目指してるんなら、もっと頑張らないと」

「いや~、分かるか、頑張ってるんだけどねぇ。ハハハハハハ」

騎士長は恥ずかしそうに笑った。それにしても騎士長でもやられることってあるんだなぁ、意外だ。

二人は文字通り、本当に仲良く話していた。いつか、ボクもああなるのだろうか?

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