第2話 この町

「よし、カアレ、町案内してやるよ」

突然、師匠がそう言い出した。何事かと思いつつも、無理やり連れていかれ、ボクは外に出た。すぐ近くにあったのは四角で囲まれた場所だった、師匠は説明を始める。

「ここは修練場。ま、言葉通り修行の場所だ。」すると、いろんな場所を次々に指さして、

「あれは、風呂屋。夜にシャワーを浴びにいくんだ、ケッコー良い場所だぜ。

「あれは、牢屋。悪いことしたやつはそこに入れられて罰が下されるんだ。気をつけろよぉ?

「んで、その横が墓地。死んだやつがそこに埋められるんだ。良いやつも悪いやつも、墓ぐらいはな‥

「そして、あの馬鹿でかい建物、あれが天門。ここは、近くの装置から不定期にやって来る神の遣いが俺達の中の誰かを選別、選ばれたやつは天門に入り、ワープ。そのまま悪魔との戦いになる‥らしいぜ」

?、らしい?詳しくは知らないのかな‥

「?、師匠は行ったことないの?」

すると、タスクは天門に羨望の眼差しを向けて、

「そりゃ、俺だって行きてぇよ、当たり前だろ?俺がどこまで通じんのか試してぇよ、でもな行ったら二度と戻れない、悪魔を滅ぼすまでな‥‥」

そうして、タスクの町案内は終わった。帰り道に上を見ていたボクに師匠は、どこか引っかかることを言った。

「あぁ、気になるか、上。ここは閉鎖空間。この町全体は石で囲まれてんだ」

「なんで?」

「なんで?うーん‥考えたことも無かったなあ。俺がここに来た時からこうだったからなぁ‥」

そうだったんだ。まあ、興味を持ったところで、理由がわかるわけではないが。

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