第15話
次に縁である。
鎧である
そして、右手足の
右手足での攻撃によってマーキングした場合、左手足での攻撃は音速を超えるほどの速度を出せるという。左手足での攻撃でマーキングした場合、右手足での攻撃は左手足とは比較にならないほどの攻撃力を得る。ワンツーをセットにすることで、常に魔法を発動したままにできるという仕組みだ。
マーキングは全部会わせて五つ設置できるようだ。
話しを聞く限り、縁の能力は完全に前衛向け。
真摘の能力は、私も良く聞いておく必要があった。
巫女服である
扇の
左手に持っていた帯、
ちなみに、武器自体の名前はあるが、魔法自体に名前を付けているのは私だけらしい。
真摘は縁と違い、完全に後衛向けだった。
「ユカちゃんが前衛、リンちゃんが中継、マーちゃんは後衛というのが妥当だと思うわ。マーちゃんの後衛はそのままで、ユカちゃんとリンちゃん二人で前衛をしてもいいと思うけどね」
私以外の二人の名前はこれで決定らしい。
「前衛後衛を決めても、精神力枯渇まで魔装を壊し続けるくらいしか思い付かないわ」
「リンちゃんの攻撃が通りさえすれば、あとはユカちゃんがノブレスでそこを攻撃すればいい。その間にマーちゃんが援護をしたり、攻撃を引き受けないといけないけれど」
「魔装を壊すのは一回きりでもいい、と」
「ただしチャンスは一度きり。ミスをすれば、チカちゃんだって対応してくるはず。そうしたら、もう打つ手はないわ」
「人手不足もありますね。人数がいたからいいというものでもないのでしょうけど」
「でも、やるしかないんだよね」
意見が一致した、か。
「作戦とは言えないけど、今考えられるのはこれくらいだわ。ごめんなさい、リンちゃん」
果歩は眠そうな目をしてそう言った。心なしか、口調もどんどんとゆっくりになってきている。
おそらく、限界が近い。
ノブレスは無意識と意識を切り替えることができる。しかし今の果歩は昏睡状態。現実世界では起きることができないのだ。つまりそれは意識がないということ。現実世界で意識をなくしたものは、基本的にはこちらでも意識がない。
「ありがとう、果歩」
「うん、それじゃあ私は戻るわね。こっちに来て?」
果歩に近付くと、私の頬に手を当てた。優しく何度か撫でて、小さくため息をついてから手を離した。
「がんばってね。リンちゃんもチカちゃんも、私にとっては大事な妹だから」
「絶対に果たしてみせるわ」
横になって、果歩は目を閉じる。数秒後には、もう返事をしなかった。
先に縁が現実に戻って、次は真摘だった。残ったのは私だけ。
「式は、このやり方で倒せると思う?」
顎に指を当て「うーん」と数秒唸った。
「わからないよ。今までの魔法少女たちの中にもね、キミたちと同じような魔法を使っていた子もいた。その魔法少女たちが束になっても敵わなかった相手だ。ボクにはなんとも言えないよ」
「でしょうね。いいわ、この話はやめましょう。それに私も起きる時間だわ」
今日の収穫はゼロだけど仕方がない。
現実に戻っても、きっと千影と話はしないと思う。いや、できないのだ。そんな勇気、私にはないのだから。
千影とは二週間に一回顔を合わせるかどうか。その程度なので、話をしたくてもできないだろう。そもそも彼女がいつ帰ってきているのかわからない。そして私は携帯電話なども持っていないので、連絡する手段はなかった。
身体から光があふれ出す。温かさに身を任せると、あとは現実に帰るだけ。
私は目を閉じて、これからどうすればいいのかを模索していた。
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