197
イチを吸血するために、ジョエルの屋敷の床下に潜んでいた美薗は、春乃により放たれた炎にジョエル共々包まれる。逃げ場を失った美薗は時空の波にのみ込まれ、ジョエルやイチと共に平成の世から、戦国の世にタイムスリップしていた。
織田家の姫君であるイチとは異なり、お金も住みかもない美薗は、夜な夜な遊女として武士の生き血を吸う。吸血鬼となった武士は妻や側室達を次々と吸血鬼に変えた。
戦国の世の女性とは異なる美薗の華やかさと艶っぽさ、未来を予言し的中させる能力に、吸血鬼達はやがて美薗を姫君と
美薗はイチが織田信長の妹、お市の方様だと知り、月足らずで生まれた茶々姫がジョエルの娘であると確信した。
イチの娘、茶々姫はダンピール。即ち吸血鬼の敵。抹殺するしかない。さもなければいずれ自分の身も脅かされる。
人斬りと騒がれ、城下の吸血鬼を殺す男はジョエルに違いない。ジョエルは自分と同じ吸血鬼。同族を殺めるなんて許せない。
美薗は織田家臣を次々と吸血鬼に変え、お花を襲わせ、我が手下にし茶々の命を狙うが、一度目も二度目も未遂に終わる。
茶々は歴史書通り、豊臣秀吉の側室となった。
茶々を殺すには、徳川家康の力が必要。その徳川家臣を次々と吸血鬼にし、周囲を固め、いずれ自分も城に乗り込む手筈を整えた。
――すでに……
吸血鬼とダンピールの戦いの幕は上がっていたのだ……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます