104
◇◇◇
翌日、新聞やニュースで、この事件は大きく報道された。バーニャ大学は事件の報道を受け、数日間休校することとなった。
―深夜零時。バーニャ酪農大学―
「ねぇ知ってる?」
「春乃のこと?」
「ジョエルの屋敷に放火したらしいよ」
「へぇ、マハラ殺しも春乃らしいね。春乃のお姉さんマハラと付き合ってたんだって。春乃はお姉さんを自殺に追い込んだマハラを恨み復讐したみたいよ。ふふっ、バカだね」
「春乃が連続殺人犯だったんだ。ジョエルの屋敷を放火したのも、イチに嫉妬して、無理心中したって噂もある」
「無理心中?人間って死ぬんだね。でも春乃以外の死体は発見されなかった。骨まで焼き尽くしたのかしら」
クスクスと女性の笑い声が牛舎に響く。
金色の髪、赤いマニキュア、赤いピアス。彼女達の足元には数頭の仔牛の死骸。
「春乃のせいで、沢山の人間が死んだ。どうせ死ぬなら、マハラを先に吸血しておけば良かったわ。せっかく我慢したのに」
「まだチャンスはあるわよ。餌になるべき人間はこの国に
牛舎の外で人の声がし、バサバサと音を鳴らし二匹の大蝙蝠が夜空に飛び立つ。
死んだ仔牛の傍には、赤いピアスがひとつ地面に転がり、赤い光を放っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます