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「昨日ジョエルは大学を早退し、マハラもジョエルの後を追うように早退した。ジョエルはマハラに捕らえられた大蝙蝠を助けに行ったのよ」
「大蝙蝠……?」
「大蝙蝠の正体はセバスティに違いないわ。イチ、昨夜セバスティは怪我をしていなかった?」
わたくしは思わず顔を強張らせる。昨夜セバスティは重症を負いベッドに横たわっていた。
「図星ね。その様子だとセバスティはジョエルに救出されたみたいね。でもジョエルはそのために、マハラを惨殺した」
「ジョエルがマハラを……!?まさか!?」
「イチ、彼らは悪魔よ。人間の生き血を吸い、次々と惨殺する悪魔。イチ、これ以上犠牲者を出してはいけない。私とこの町を守るのよ」
春乃はわたくしに木の杭を差し出した。その杭はズシリと重く先端部分は鋭く尖っている。
「これでジョエルとセバスティの息の根を止めるのよ」
「……出来ませぬ。ジョエルとセバスティを殺すなど」
「そうしなければ、次はイチが殺されてしまうのよ」
「このわたくしが……」
「二人の秘密を知ってしまったあなたを、ジョエルがこのまま生かすはずはないわ」
「……まさか」
「さぁ、行きましょう。二人は棺の中でぐっすり眠っているはず。殺るなら今しかない」
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