#24
『第三問。買う時は黒色、使う時は赤色、捨てる時は灰色の物は何か?』
また、なぞなぞか。しかし、こちらは姫ちゃんに弥白先輩がいるから問題ないだろう。
だけど、本当の目的は知恵を出し合って、協力プレイをして欲しかったんだけど……上手くはいかないもんだな。
「…………」
「どうしたんですか弥白先輩。そんなに難しい顔をして……」
俺の顔を見て何かを考え込んでいる。そして、ガシッと肩を掴んで……。
「もしかして、逢坂君はロリコンというやつなのかい?」
「ソンナワケナイジャナイデスカ」
「輝兄さんはロリもいけますよ」
「ちょっと姫ちゃん?」
俺はロリコンではないです。たまたまプレイしたエロゲの好きなキャラがロリだっただけなんです。
「えっと……確か昨年の八月くらいでした」
「去年の八月?」
夏休み真っ最中?
エロゲと出会い、その夏は死ぬほど過去作品をプレイしていた……あっ。
ダラダラと汗が流れてくる。
どハマりし過ぎた挙句、抱き枕カバーまで手に入れてしまった俺のレジェンド作品。
もし、アレを一般人が見た場合……俺には圧倒的ロリコンのレッテルがつけられる。
「ち、違うんだ姫ちゃん。あれはだな……決してロリではないんだ。所謂ロリババア……そう、心は大人なんだよ」
エロゲを嗜む者ならば知る人は多いだろう。数多のロリコンを萌え殺し……プレイした人数だけロリコンを増やした……。
「白に赤のメッシュが入った女の子でしたね。とても……幼い……」
「あれは違うぞ……? なぜならあの子はあかしゃぐまと呼ばれる妖怪であって決して幼女などではないのだよ。だから決して俺がロリコンなはずがない」
そう、俺のラブリー妖怪嫁はロリではない。あれはロリババア。つまり、幼女の姿をしているのであって幼女ではない。
「うーん。僕はよく分からないけど……話を聞くにそのあかしゃぐま? というのは小さい女の子の姿をしているんだよね? 逢坂君はその子が好きになった。それならロリコンなんじゃ……」
「違います! もちろん、すみタソの容姿も素晴らしい。もはや芸術だと言える! しかし、彼女を好きになった理由は外見が可愛いからなんかじゃない」
「ほう? それは性格も……ということかな?」
「それだけじゃありません。全てです」
「全て?」
両腕を広げて力説する。そこに溢れんばかりの愛が見えるように。
「容姿、性格、声、年寄り口調、その他全てです! 少し口煩くもそこには愛があり、細やかな気配りができ……俺は……俺は……」
「「俺は……?」」
「おんぶして帰りたい!」
二人とも意味がわからない……いや、むしろ未知の生物を見るような目で見てくる。
ヤレヤレと首を振る。
まぁ、一般人にはこの気持ち分かるまいよ。
おんぶしながら夕餉……晩飯について話す。それが楽しそうで、幸せそうな彼女を俺はずっと見ていたいんだ。
……ん? はて? なぜ俺はこんなにも熱く語っていたのだったか。
もう一度、二人を見ると二人は呆れたように……しかしなぜか楽しそうに見ていた。
「逢坂君は本当に面白いね」
「へ?」
「はぁ……輝兄さんはどうしようもないロリコンということはよく分かりました」
「いやいや、だから俺はロリコンではなくてだね」
訂正しようにも、二人はクスクスと笑って俺の話を聞いてくれない。
「なんだか毒気が抜けてしまった気分だ。それもまた君の魅力なのかもしれないね」
「え、魅力……?」
「ふふっ。輝兄さんはいつもこんな感じです。とても変態なんです。ですので会長さんには相応しくないかと思いますが?」
「それが僕が彼に相応しくないという意味での言葉なら確かにそうかもしれないね」
「そう意味では……」
二人は何の話をしているんだ。いや、俺のことを話しているのは何となく分かるけど……。
「でも、一緒にいたいって思える。さて、そうだね……名古君」
「な、なんでしょう?」
「一つ分かったことがあるんだ」
「分かったこと……とは?」
「君たちと対立していても僕に利益はない。それに……みんなでいた方が逢坂君は楽しそうだ。だから、僕をみんなにして欲しいんだけど」
正直、さっきから二人で俺を置いて会話しているせいで、理解が追いついていないが、一つ分かったことはある。
それは、弥白先輩から手を伸ばしたということ。
「はぁ……また、増えるんですね。仕方ありません。それに……そんなに悪い人でもなさそうです」
「わ、悪い人……そんな風に思われていたのかい……」
「えぇ」
あぁ、折角上手くまとまりそうなのに喧嘩腰に……と思いきや、二人は突然、小さく吹き出した。
どちらが先と言うより、ほぼ同時に。
「ふふっ。会長さん。これは木炭でいいですか?」
「ん? あぁ、そうだね。僕も木炭だと思うよ」
な、なんか知らんが木炭らしい。木炭?
答えを書くパネルに姫ちゃんが木炭と書くと丸がついた。
あ、なぞなぞの答えね。
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