第8話 彼女の依頼

???「あの...私告白されたんです!」


いきなりこの子は何を言ってるのん?依頼じゃなくて告白された事の自慢をしに来たなら今すぐ帰ってくれない?


鋭「なに?告白された事自慢しに来たの?凄いねー(棒)」


???「ち、違います!そんな理由で来る訳ないじゃないですか!」


美香「そうだぞ如月君。誰もが君みたいなクズい考えをしてる訳じゃないんだ」


鋭「サラッと俺をクズ認定すんな、冗談だよ」


俺ってこいつからクズだと思われてるのか...昨日正義感があるって言ったのは嘘なのか。まぁオンラインゲームとかで味方を盾にして後から攻撃とかしてるあたりはクズと言ってもいいかもしれんな、鋭君まじいたずらっ子!(๑>؂•̀๑)テヘペロ


美香「なぜ急に舌を出したんだ...」ハァ...


春咲が俺の脳内選択肢により導き出されたテヘペロを見てこめかみに手を当て溜息をつく。流石に俺でもあれはキモかったわ。ほらこの子も引いてるし..。


???「あ、あの話まだ終わってないんですけど..」


美香「ん?すまない、続きを話してくれ」


???「私に告白してきた人は野球部の3年生の人なんですけど、その人の告白を何回断っても付きまとってきて..」


彼女はとても落ち込んだ顔で顔を俯ける。余程迷惑してるんだろうな。まぁ確かに自分が好きでもない奴が何回もしつこく告白してきたら誰だって嫌だしな。


鋭「諦めが悪い奴だな。断られたんだから何度告っても同じだろ...もしかしてワンチャン落とせるとか考えてんのか?」


美香「そうだろうな。この問題を解決させるには相手を諦めさせるのが1番の案なんだが...難しそうだな。」


春咲は目を閉じてうーんと唸って考え始めた。探偵とかもよくやるよなそのポーズ。顎に手を当てて考え出すやつ。


???「あの...別に今日解決させなくても大丈夫ですよ?そこに居る如月君とは同じクラスだし話もできるし、明日以降でも全然大丈夫です!」


鋭「え?俺と同じクラスなの?」


通りでなんか見たことある顔だと思った。クラスのトップカーストって訳でも無いがそこそこのカーストに所属している人だ。そこら辺のリア充とは違って騒がしくないしおとなしめな感じのグループに居たな。


???「え?私のこと知らない?やっぱ私影薄いのかなぁ...」


美香「大丈夫だぞ。影が薄いのは如月君の方だ、安心したまえ」


鋭「何を安心していいんだよ..あとそれ俺が言うはずのセリフだから」


俺たちのやり取りを見て彼女はふふっと笑った。


???「あはは!なんか面白いね!」


楽しんでもらえて何よりだが俺の心は傷ついて行くんだよなぁ..。まぁ単純な悪口とかじゃないだけまだマシか。これで死ねとかキモいとかバンバン言われてたら鬱になって引きこもるまであるな。


美香「たしかに面白いわね、如月君をいじっている時は楽しいな!」


鋭「お前ドSかよ。俺は全然楽しくないわ」


美香「本当に嫌なことならやめろって真剣に言うじゃない。それを言わないってことは君も少し楽しいんじゃないか?」ニコッ


鋭「くっ...」


なぜ俺の考えてることがわかった...お前まさかエスパ(ry 流石に同じボケを2回もするつもりは無い。てか春咲がたまに見せるこの笑顔ちょっとドキッとするからやめてもらえませんかね。


美香「図星みたいだな。まぁこの話は置いといて依頼の解決についてはまた後日という事でいいんだな?」


???「はい!」


彼女は元気よく挨拶をする。さっきのやりとりを見て少し元気になったみたいだな。そういやこの子の名前聞いてなかったな。てか俺名前聞き忘れ多くない?人と喋る機会なんてほとんど無いから名前を聞かないと行けないことを忘れてたわ。


鋭「まだ名前聞いてないけど教えてくれないか?」


柚子「あっ!?自己紹介するの忘れてました!私は如月君と同じクラスの仲町柚子なかまちゆずって言います!よろしくです!」


美香「分かっているかも知れないが私達も自己紹介をしておこう。私は春咲美香、この治安部の部長をしている。よろしくな」


鋭「俺は如月鋭だ。実は死神をやってて虚っていうおばけを倒す仕事をしている」


美香「君はいつから死神代行になったんだ...嘘だから気にしなくていいぞ」


なんでポケ〇ンわかんなくてBL〇ACHわかるんだよ。基準がわからんわ。


柚子「あはは...じゃあ明日またここにお邪魔させてもらいます!今日はありがとうございました!」


そう言って仲町は立ち上がり椅子を机の中に入れる。机の中って机の下のことだからね?あの教科書入れる所にねじ込む訳じゃないからね?


春咲「ああ、また明日な」


鋭「じゃあな」


仲町は扉を開け教室を出る。なにか楽しげに花歌を歌いながら帰っていった。...部活動1日目からいきなり依頼が来るとは...まぁ人の為に何かをするってのは悪くないな。


美香「私達も帰るか」


鋭「そうだな」


俺は春咲に軽く帰りの挨拶をして教室を出る。今日は厚着をしているためこの前のような肌寒さはない。そういや今日はスーパーの野菜が安い日だな、買って帰ろう。

俺は自転車置き場で自転車を取り、家の近くのスーパーへと向かった。



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