第5話こうして彼の青春が始まる

こんにちは皆さん、如月鋭です。突然ですが皆さんに質問です。もし貴方が急に見ず知らずの美女に私の部活に入ってほしいと言われたらどんな反応をしますか?ちなみに俺は…


鋭「は!?」


まぁこういうリアクションが普通ですよね。ていうか冷静さを保てる奴いないだろ。世にも奇妙な物語とか本当にあった怖い話見ても驚いたりビビったりしない冷静な俺がこんなに驚いてるんだからな。


美香「なんだ?聞こえなかったのか、ならもう一度言おう。君には私の…」


鋭「聞こえてる!聞こえてるから!」


美香「なんだ聞こえているのか。まぁ教室に入ってくれ、君も色々と聞きたいことがあるんだろ?」


鋭「ああ。山ほど聞きたいことがあるわ」


彼女が扉を開け教室の中に入っていく。その後に続いて俺も教室に入る。教室の中にはホワイトボードと長机があり、教室の隅に椅子が何個か重ねられて置いてあった。これは彼女が用意した物なのだろうか。


美香「そこにある椅子をとって適当に座ってくれ。」


鋭「ん、了解」


俺は積み重ねて置いてある椅子を一つ取り、彼女の座った椅子の向かいにテーブルを挟んで座った。


美香「ではまずは質問タイムとしよう。聞きたいことを答えられる範囲で答えるよ。」


鋭「答えられる範囲ってどうゆう事だよ…。まぁそこはどうでもいい。まずどうして俺なんだ?」


そう、俺がずっと気になっていたこと。正直部活に誘うのなら俺じゃなくても他の生徒でもいいはずだ。しかし彼女は何故か俺を誘った。大して知名度もなければむしろ学校に存在しているかすらも危うい俺のところに訪ねてきたんだ。これにはなにか理由があるはずだ。


美香「それは簡単だよ。君は人一倍正義感が強く、なおかつ行動力もある。だから君を選んだんだよ。」


鋭「俺に正義感や行動力なんてこれっぽっちもないんだが…」


俺に正義感や行動力があるなら今頃この社会という名の地獄をぶっ壊して誰も働かなくていい世界を作ってるわ。これって正義感なの?


美香「またそうやって自分を卑下する…君はやはり昔と変わらないな。」


鋭「昔?」


美香「いや…何でもないよ。他に質問はあるか?」


鋭「なぜ俺に正義感や行動力がおると思った。自分で言ってて悲しくなるが俺は友達もあんまいねぇしクラスでもあんまり目立たないタイプだ。ソースを教えてくれ」


美香「それに関しては答えることは出来ない」


鋭「おいまさか情報元も無いのに勝手に正義感がありそうとか行動力がありそうって思って誘ったんじゃないだろうな?」


見かけで判断したって事か?やだ俺の外面は正義感ありそうに見えるんだ!なんか嬉しいぜ!


美香「しっかりと情報元はある。その内容を言えないと言っているんだ。なんの根拠もない訳では無い」


何故根拠を隠すんだ?別に言いづらい事でもないはずだ。まぁでも彼女が言いたくないって言ってるんだ。このことに関しては追求しなくていいだろう。


鋭「最後の質問だ。この部活は何部なんだ?悪いが帰りがめちゃくちゃ遅くなるような内容なら断らせてもらうぞ。晩飯とか作らないといけないしな。」


俺がもう一つ気になっていた部活の内容だ。まず部活の名前を知らないしな。


美香「帰りが遅くなるほど大変な部活じゃないさ。今から君に入ってもらうのはこの学校の理不尽なことやイジメなどの生徒間でのトラブルを解決する部活だ。その名も…」


美香「治安部だ!」


鋭「治安部??」

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