第5話『初体験がそっちですか?』
チシロが俺に飲ませたのは精力増強剤であるイキリダケエキスの原液だった。
更にそこへチシロの挑発が加わり、俺は本能を爆発させ彼女を押し倒す。
しかし、彼女は局部への刺激を嫌がるあまり凶暴化。
俺を殴った上、逆に押し倒した……だと?
「チシロ……?」
「全く節操のないクソヤローだ」
俺の両手は頭上で1つにまとめられ、彼女の右手にて封じられる。
下半身に彼女の体重がのしかかるが、
こんな事でさえ息子はピクンと跳ね上がり喜んでいる。
「ただゴーサインを出しさえすりゃあ、後はわたくしが全部シテやったのによ。
てめー子作りしたくなかったんじゃねえのかよ。
あ?」
チシロの様子がおかしい。
別人のように口が荒くなり顔をゆがめ、なんと文字通り眼の色が変わっている。
真珠のような灰白色だったのが、今は別の宝石アメジストに似た深い紫色だ。
「なんとか言えや、このオトコオンナ!」
「でも、チシロが騙したから……」
「わたくしが言い終わる前にてめーが暴走したんだろうが!」
「そんな……」
「まあ良い。
こうなっちまった以上は楽しませてもらうぜ。
空っぽにしてやるよ」
チシロは左手で自身のショーツをスッと下ろす。
右手は俺の両手を封じたまま、彼女は改めて息子の上にまたがったてきた。
「ちょっ!?」
「安心しな。
ちゃんと綺麗にはしてあるからよ」
「そこはダメだってさっき自分で……」
「後ろにも穴はあるんだぜ?」
「……後ろ?」
「何とぼけてんだよ。
てめーにもあるだろ?」
「……えっ」
初体験がそっちですか……?
「大人しくしてねえとへし折れるぞ」
「チシロ、落ち着いて……っ!?」
「なんだ!こんな時に地震か!?」
俺達を取り囲む木箱がグラグラと揺れ始める。
そのうち1つの山が崩れ、チシロはそれを避けるようにして俺から離れた。
「おわぁ!」
だが木箱だらけのこの地下室、一回避けたくらいでは意味がない。
揺れは次第に激しくなり、木箱や木材が次々と襲いかかってくる。
俺達はただただ自分の身を守るしかなかった。
息の詰まる緊張した時間が流れていく。
「……シツ様、シツ様」
「チシロ。
元に戻ったの?」
揺れが収まり、俺達は木箱越しに会話し互いの安否を確認した。
チシロの凶暴な人格はなりを潜め、様付けの丁寧な口調に戻っているようだ。
「大変お見苦しい所を見せてしまいました。
罰としてこのチシロめを思いっきりひっぱたいてくださいまし」
「……戻ってるな」
「どのような罰を与えられても構いません。
むしろ本望なのです。
しかしシツ様、
今後わたくしめの秘部にだけは、くれぐれも触れられないようお願いいたします。
でなければ先程のように、自分を制御出来なくなってしまうのです……」
木箱の山がガラガラと崩れ、そこからチシロが姿を現した。
深い紫色に変色していた眼の色が真珠のそれに戻っている。
「シツ様、どうかお許しを」
チシロは木箱をまたいで俺の足元に跪き、
祈りを捧げるシスターのように両手を組んで見上げてきた。
年下女子の上目遣いに息子が凄く反応してる。
あ、ショーツ下ろしたままだった。
「怒ってはないけど……チシロは結局何がしたかったの?
わざわざ騙してまでさ」
「分かりませんか?」
チシロは俺の股間に顔を寄せ、スカート越しの息子に頬ずりをしてきた。
「……これです」
「えっ?」
ショーツを履こうとした俺の手がチシロに止められる。
そればかりでなく、逆に足首まで完全に下ろされてしまった。
「チシロ!?」
「うふふ、ご安心ください。
シツ様がこうなってしまった原因は、全てわたくしめにございます。
責任、取らせていただきますね?」
チシロは俺のスカートを両手でまくり上げ、その中に頭を突っ込んだ。
そして息子をパクリ。
「うう!」
口の中を満たす唾液と生命を感じさせる体温。
甘くとろける快楽。
逆らえない。
品山シツ17歳、異性との初体験は……知り合って間もない年下の少女、
チシロの口の中だった。
程なくして俺は1発目を放ち彼女の体内を汚す。
勢力増強剤イキリダケエキスの原液を飲まされただけあって、
息子は全く萎えていない。
昇天し骨抜きになった俺は適当な木箱に座らされ、その後も責められ続けた。
「……チヒロ、チヒロ、もう良い。
もう良いかりゃ……」
「おやおやシツ様、チヒロとは一体誰の事でしょう?
わたくしめには心当たりがございません。
まあ、むしろ本望なのですけれど。
あむっ」
「ああっ!」
もう何発出しただろうか。
途中からは出てるのかどうかさえ自分でも分からなくなった。
全てをチシロにゴックンされているのだけは確かだ。
もうチシロの名前をまともに呼ぶ事さえ出来やしない。
それなのに彼女はまだ続けてくる。
この子マゾなの?サドじゃないの?まさか両方なの?
「死んじゃうぅ……」
「ぷは。
ラスティアンとの戦いで死ぬよりはむしろ本望。
そう思いませんか? シツ様」
「メツェンしゃんを、守らにゃいと……」
「……メツェン様が何か?」
話してると口を止めてくれるみたいだ。
もっとも、止めないと話せないからこれはごく当たり前か。
「俺、メツェンしゃんに惚れたんれす。
だから彼女を守りたいんれす。
死にたくにゃい……死ねにゃい……あれ?」
気付けば息子が自由になっていた。
いつの間に。
見ればチシロは俺から離れ、握り拳で口元をぬぐっている。
「それがシツ様の答えなのですね。
ユーサネイジアースを信仰するわたくしとしましては非常に残念です。
こればかりは本望でもございません」
「ユー……ユーサ?」
「
ラスティアンに世の運命を委ね、人間はこれ以上子を設けず大人しく滅びるべき。
けぷ……失礼。
中々理解されませんが、そう言う教えでございます」
子を設けず、か。
だからあの時あんなに怒ってたんだな。
怒ってたどころか人格が入れ替わるレベルだった気もするけど。
「俺も……それは理解出来にゃい」
「シツ様はラスティアンを倒せるAAですもの。
それが当たり前でございます」
チシロが歩いていくのを目で追う。
彼女は扉の前に立ち鍵を開けた。
すぐに開けたりせず、背中を見せたまま俺に語りかけてくる。
「理解していただけなくて結構。
むしろ本望なのです。
このような悲しい教えにすがるのは、
わたくしめのような哀れな者だけで十分なのですから」
「チシロ……?」
「それではシツ様、チシロめはお先に失礼いたします。
これだけご奉仕させていただいたのですから、
原液エキスの効果もとうに切れた事でしょう。
どうぞメツェン様でもどなたでもお連れして、この世界をお救いくださいまし」
チシロは一旦振り返ってお辞儀をした後、扉を開けて出て行った。
俺はしばらくの間、開け放たれたままの扉から視点を動かさずにいた。
「
ラスティアンに任せて人間は滅びるべき。
俗に言う終末論ってやつかな」
そんなとんでもない教えをあの歳で信じるなんて、チシロの過去に何があったんだろう。
まあ嫌われちゃったみたいだし? 今更気にしてもしょうがないか。
「……ベトベトだ。
どうしよう」
乱れた着衣を直そうと思ったけど、このままだと汚しまくってしまう。
申し訳ないけど適当な布を借りて拭き取るしかないか。
俺、ほとんど被害者だしね。
さっさと綺麗にしてメツェンさんに会いに行かなくちゃ。
「シツちゃん!?」
「うわーっ!?」
局部を拭こうとスカートをおっ広げてる所にまさかのメツェンさん登場。
その瞬間、俺の中で何かが砕け散った。
メツェンさんはそんなおっ広げたままの俺に、なんと勢い良く抱き付いてくる。
これでエキスの効果切れてなかったらどうすんの……?
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