18

お客さんや学生でいっぱいの廊下を清水君に引っ張られながら歩いていた。周り(特に女子)の目が痛い。おぉ、痛すぎる。いつになったら離してくれるものなのか。あー、また誰かに言われるのかな……。その時、少し大きめの清水君の声が聞こえた。



「ね、…………せい。」


「うん?…………………………うん!?!」



は!?え、なにどうしたの!?せいって言った!?名前!?は!?

そして、清水君はこっちを振り向きながらあらぬことを言い出した。



「ほんとに、星のこと攫ってもいい?」



ザワつく廊下。視線が刺さる。いつもの私だったらこんなの耐えられない。今すぐにでも逃げ出していた。



──── なのに、清水君がそんな真っ直ぐな目をしたまま振り返るから。

握られた手が、さらに強く握られたから。

そして、いつもクールな君の顔が心なしか赤く染まっていたから。


「………………っ、はい!」



だから、考える前に頷いていた。

少し目を見開いた清水君は、すぐに笑顔になり、私のことを持ち上げた。───── お姫様抱っこで。


「しっかり、捕まってて。」


「……まって!」



もう、我慢しなくていいよね。

君に、伝えていいよね。

内緒話をするように、清水君の耳に口を近づけた。



「……………………すっ、…………好き、です。………………っ、






















だ、大好きです!!!!!!!!」






やっと、伝えられた、


私の気持ち ───────────

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