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下校時間がもうすぐであることを知らせる放送が流れる頃に私たちは学校を出た。朝の雨が嘘のように、夕日が綺麗に出ていた。カラスも山に帰っている。隣にはイケメン。嗚呼いい景色だ。








………………私もしかしたら死ぬのかな。いや、暗殺される?なんで私学校1のイケメンと帰り道を共にしているんだ。いや、嬉しいけどさ!まじで神に感謝!今なら別に死んでもいいわ!(落ち着け)


「あれ?三条さん、その傷どうしたの?」


「……ん?……あー、これは、」


さっき転んだ時に、紙にかすって、腕に切り傷ができていた。あなたのファンにやられたんです(泣)。なんて言えるほど、私も度胸がある人間ではない。



「ちょっと、転んじゃった。あは」


「そう。気をつけなよ、女の子なんだから。」


「………………!!」


自分の顔に熱が集まっていくのが、よく分かった。なんなんだ!ほんとにやめて!!かっこよすぎる……。


「あ、あのさ、清水君。」


「なに?」


「いや、清水君って、どんな女子にもそういうこと言ってるの?…………、とか思ったりして、あ、はは。」


あ、やばい。清水君めっちゃ真顔やん。怒らせたかな……。

そんな考えとは裏腹に、清水君はあっさり、さらっと答えた。


「うん、まぁ、そうかもしれない。意識してないからわかんないかな。」


「あー……。」


そう、だよね。私だけ特別とかありえないもん。ほら、期待するだけ無駄ってやつだよ。悲しそうな仕草とか見せちゃダメ。絶対、気を使われるもん。


「そうだよね!やっぱ清水君みたいに人気者だと、そのくらいできないとね!!」


ほら、私の笑顔が役立つときじゃないか。

笑っていれば、みんな幸せ。




誰も、傷つかないんだから。



「でも、三条さんも人気者じゃない?」


と、清水君があらぬ事を言い始めた。


「え?私が?いや、ないでしょ。ないない!!」


「そうなの?俺の中で、三条さんはいつもいろんな人と話してる印象があったから。」


それは恐らく、私の愛想がいいからです。はっはっは。なんて言えるわけない。


「…………、うんまあ、自分なりにいろんな人と関わることを心がけて日々、生きてる、感じ、かなぁ、あは。」



信号が赤になって、私たちは立ち止まった。

適当人間にも程がある。なんてひどい。死にたい。

なんて考えてた私に、清水君が衝撃の一言を放った。




「だから、そんなに愛想笑いが上手なんだね。」

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