8
例のごとく、今日の放課後も私と清水君は教室で仕事をしていた。(今日は私にも仕事があった)
だが、私にとっては仕事どころではなかった。なぜなら、清水君を意識すると、なんか、変なオーラが放たれてるように見えて、爆発しそうになるからだ。これは、まずい。実にまずい。どうしたらこんなかっこいい人が生まれてくるのか……。
「……俺の顔、なにかついてる……?」
「……っへ!?あ、ううん!!なんにも!」
「そ、そう……。あのさ、これコピーお願いしてもいいかな。クラスの人数分。」
「ぎょっ、
「ぶふっ、なに時代の人だよ。」
あ、笑った。かわいい。
なんて思いながら、印刷室に向かって歩いていた。
「えっとー、印刷室は……っわぁ!」
ズコーっと音がしそうな転び方をした。目の前にいた人に気付かず、足にひっかかってしまったようだ。
「ご、ごめんなさ」
「清水君と仲良くなれたからって調子のんなよ。」
多分、空耳だったのかもしれない。そう感じるくらい小さな声だった。でも、確実に私の脳内にその言葉が鳴り響いた。恐らくあれは隣のクラスの女子だ。……やっぱり清水君ってモテるんだなぁ、とそんなことを考えながらただコピー機を眺めていた。私なんかが、好きになるなんてやっぱり図々しいよね。まぁ、それは、分かってますよ私だって。そこまで阿呆ではありませんて。
「ふぅ……。」
コピー機が、がしゃーんがしゃーんと音を立てながらどんどん仕事をこなしていく。きっとこいつは私なんかより何百倍も役に立つんだろうなぁ……。
…………まぁ、今更か。そんなネガティブな考えを打ち消すように顔をふるふると振った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます