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─── ふと、中学の時の自分を思い出した。


自分で言うのもなんだが、私は友だちもそこそこ多くて、それなりになんでもこなせる人間だと思う。はなと友達になったのも中学の時だ。なんの特徴もない普通の中学生だった。(多分)


ただ高校いまと違うことは、割と私は、自分の思ったことをはっきり言うタイプだったということだ。特に大した違いではないように聞こえるかもしれないが、私にとってこれはかなり大きな問題だったのだ。


「ここは、こうした方がいいんじゃない?」


「それは絶対やめときなって。」


「そういうの私はよくないと思う。」


等々、私はたくさんの人に意見をぶつけた。自分の気持ちを伝えれば、相手もそれに応えてくれると思っていたから。ただ、私の欠点は、それを行動に移せるほどの器用さと分からなくなった時に誰かに頼るという考えを持ち合わせてなかったことだ。いろんな人にいろんな場面で頼りにされたのが本当に嬉しくて、私は誰にも頼らず、どんな仕事もひとりでこなしてきた。だけど、そのほとんどの場面で私は失敗ばかりを繰り返した。



自分でもどうしたらいいか分からなくなった時、私はクラスメイトの本音を偶然耳にしてしまった。



「星ちゃんって、意外と何も出来ないよね。」


「それわかる!私できます!みたいな顔しといて失敗ばっかだし。」


「そのくせ、意見だけは強いしね。」


「ちょっと調子のりすぎかな。」



その時、自分の中でなにかが壊れた気がした。

それは私のプライドだったのかもしれない。

もしかしたら、今まで私を縛っていた何かかもしれない。

ただ、私は気づいてしまったのだ。



私のしていたことは、全部無意味だったことに。

そして、私の言葉は誰にも応えてもらえないことに。



それから、私はよく笑うようになった。その代わりに、友だちに意見を言うこともなくなった。ただ、笑うだけ。



なんの意見を言わなくても、笑っていれば肯定だと受け取ってもらえるから。それが楽だから。




そんな日々が続いてくうちに、私は笑うのが癖になった。本当に心から笑ったのがいつだったか、本当は今の笑顔が心から笑えてるものなのか、それすら分からないくらい私は、よく笑うようになった。



自分の感情がでないように、

抑えて、抑えて、抑えて ────── 閉じ込めた気持ちは私の胸の奥底にどんどん溜まっていった。それが高校いまの私を作り出したのだった。

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