第4話 殺人鬼の殺人

さて、今夜は殺人執行の時だ

現在深夜1時だ 幼女─────唯月はぐっすり眠っている

「俺が行ってる間、ぜってぇに起きんじゃねえぞ」

唯月を養うようになってからの殺人は初めてだ。そして、その初回が唯月あいつの親である


「さて、確かここだな」

街に少し外れたところに俺の家、そしてそのもっと奥の誰にも見つけられなさそうな所にあるのが唯月の昔の家だ

窓からこっそり覗くと、二人はいちゃいちゃしていた。周りはゴミで散らかっている

本当に最低だ

だから、俺はあいつらを─────────

「許さねぇ!」


「「「パリンッッ!!!!!」」」


俺は手に持った殺人道具のナタで窓ガラスを割る。突然の自体に二人はさっきまでの行動をやめてこっちを見てきた

「お、お前誰だ!」

あー、無様だ。父親らしき少し大柄の男は俺を睨み付けてくる。でも何も怖くない だって、全身が震えてるから

「お願いだから出ていって!」

母親の方か?顔は綺麗なのに心はまるでゴミのようだ

「無様だな」

俺は無表情のまま二人に近づく。壁に追い詰めると、大柄の父親の方から抵抗してきた

だから、俺は頭を割ってやった

「あああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!あがっ、、あ、、、、」

断末魔が鳴り響く。ナタで頭を割られた男はその場に倒れ、そして死んだ

もう1人、女の方は叫ぶこともできずにその場に跪く

「お願いです、お願いですから!何でもしますから命だけは助けてください」

「なら、今ここで自分の犯した罪を償え」

そう言うと女はこれまで自分自身が犯した罪を吐き続けた。数十年生きてきた人間だ、それなりに犯してきた罪は多いだろう

「これで、全部吐きました。吐きましたから!だから、、だから、、、」

「本当か?」

「はい!本当です!自分の犯した罪全てを」

俺は決断した。こいつを殺すと

何故ならこの女は、

「ちっ、愚かだな。死んで本当の罪を償え」

俺は女の頭部をナタで割る。頭に深く入ったナタを抜くと大量の血が溢れでてくる

俺の足元には二人の死体がある。大量の血が床を真っ赤に染めた


「随分と残酷にやったんだな」

「誰だ!」

突然、見知らぬ男の声がした。警察かと、慌てて声がした方に振り向く

「安心しろ、俺だ」

聞き覚えのある声だ。最後にこの声を聞いたのは俺が高校を中退する前だっただろうか。名前は上城かみじょう 勇武いさむ。この前言っていた上城という苗字の友達とはこいつの事である

「この家は俺にとって訳ありでね。この二人には早く死んでもらいたかったんだよ」

「そうか、そりゃ俺がお前の望みを叶えちまったな」

「ありがたいとは思ってないが、まあ悪くは言わない。それがお前にとってのだろ?殺人鬼さん」

「ったく、やっぱ知ってやがったかこの頭脳野郎が」

勇武は天才的な知能を持つ。確か俺の後に高校を中退し探偵をやっている

「探偵だろ?警察に通報しねーのかよ」

「俺は正義の味方だ。お前にとってそれが正義なのであれば、俺は止めやしない。だが、ほどほどにしとけよ」

「ったく、探偵らしくねー事言ってんじゃねぇよ」

勇武は俺が殺人をする理由を知っている。だから探偵という警察側近の職についており、更に唯一連続殺人の犯人を知っている癖にそれをずっと隠し続けている。決して犯罪者の味方としてではない、正義の味方としてやっているのだ

「もう帰れよ刀夜。可愛い幼女ちゃんが待ってるんだろ?安心しろこの事は探偵である俺が何とかしてやるから」

「ったく、お前は何でもお見通しだな。気持ちわりぃぜ」

「残念だが、俺でもお前の家までは特定できてないよ」

どうせ、いつかはわかってしまう事なのだが

俺は後始末を勇武に任せ、その場を去った


「ただいま、、って寝てるか」

気付けば夜中の3時になっていた。唯月はぐっすりと眠っている

「可愛い寝顔しやがってよ」

今の俺がやるべき事は、こいつを守ってやるくらいか─────────

俺はぐっすりと眠る唯月の頭をなでてやった


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