第3話 幼女と大混乱
俺は、あの幼女の親が許せない
だから、俺は幼女には最後の別れと言うことで家を教えて貰った
「中に入らなくていい。ただ家の前に行けばいいだけだ」
「はい」
俺は幼女に道案内してもらい、家の前に辿り着く。幼女にとってはここに来るのは最後になるだろうが、俺にとってはそれはもう少し先の話だ
「さようなら、パパ、ママ」
「大丈夫か?」
「うん」
「そっか、じゃあ行くぞ」
場所は特定した。案外道が複雑じゃなかったのが救いだ
さて、本番は今日の深夜だ
「おいガキ、買い物いくぞ」
「あっ、はい」
殺人執行は今日の深夜、それまで充分時間はある。その間は幼女のそばにいる事にする
子供は買い物とか一緒に行きたがる。特に女の子は尚更だ
「明日の晩飯は何がいいんだ?」
「そ、それはあなたが作ってくれればなんでも食べます!」
「ったく、俺はお前の食べたいものを作りてぇんだよ!」
「ご、ごめんなさい!えっと、私は今チョコが食べたいです」
いや晩飯なんだが、、、
まあ、仕方がないか。晩飯はテキトーに選ぶ事にした
「それと、あなたあなたって俺を呼ぶな。名前で呼べ」
「ごめんなさい。ですが、名前がわからなくて」
そういえばお互いまだ名前を聞いてなかったさもそれが名前かのように幼女のことをガキと言っていた
「ったくめんどくせぇな。いいか、俺の名は
「はい、刀夜さん」
「ったく刀夜だ、さんはいらねぇ。つーかこの際言っておくが俺に敬語なんていらねぇよ」
「え、どうしてですか?」
幼女の返事に俺は戸惑い口を尖らせた
「そりゃあお前が────」
その先が言えない。言ってしまえば俺は犯罪者になり兼ねないし、嫌われる可能性もでてきてしまう
─────いや既に犯罪者か
「う、うるせぇ!つーかガキ!お前の名前も教えろよ」
「私は、、、
上城 唯月か。普通に可愛い名前だ
俺の友人に上城っていう名前の奴がいたと思うが、今はそんなのどうでもいいか
「唯月でいいな」
「はい」
「ったく敬語はやめろっつってんのによ」
まぁそう簡単に変われるもんじゃねーか。何せまだ幼い女の子────幼女なんだし
いづれ親しくなれば嫌でも自然とタメになるだろう
さて、帰って飯の支度だ
「とーや、今日の夜ご飯はなんですか?」
「チョコだ」
「やったー!ありがとうございます」
「作ってるから、風呂入ってこい。俺のタンスから服勝手に取っていいからよ。後、全裸でくんじゃねーぞ、、、」
幼女は急いでお風呂場へと向かう。昨日も今日も言ったのだからさすがに昨日のような事は起こらないはずだ
俺はご飯の支度を進めていた、のだが
「「「ガタン!!!」」」
突然風呂場から大きな音が聞こえた。桶でも落としたのかなと俺はそこまで気にしなかったが、そのすぐ後に事件は起こった
「とーや!!とーや!!」
大きな音とともに、唯月が風呂場からでてくる。昨日とは違い、慌てていて、泣いていた
昨日と同じところは─────全裸だ
「だから全裸で来んじゃねっつってんだよ!!!」
「ちがうの!ちーがーうーのぉーーー」
今回は訳ありみたいだ。俺は全裸の
「あ、あれ、、、、、」
怯え泣きながら指さす方向には、かなり大型の蜘蛛がいた
「っなんだよ!ただの蜘蛛じゃねーか」
「怖いー」
「ちっ、あーわかったよ!退治してやっから後ろ向いてろ!」
唯月は小さな女の子だ。考えてみれば、大きな蜘蛛で怯えるのは普通のことである
俺は手に持っていた包丁で蜘蛛を刺そうとした。しかし蜘蛛は咄嗟に逃げる。襲いかかる俺から逃げて、逃げて白く小さな足にぶつかりぴたっと止まる
「唯月!下を見るな!」
「し、下!?」
しかし、唯月は俺の言った事とは反対に下を見てしまった
「い、い、、いやあああぁぁぁぁぁぁぁ!」
悲鳴声が、風呂場一面に響く
唯月は泣き叫びながら何処かへ行ってしまったので、とりあえず俺は蜘蛛を退治した後に探す事にした
唯月は全裸で俺の部屋のベッドで発見。蜘蛛を退治したことを伝えると部屋を飛び出し風呂場へと向かった
もう全裸で出てくることは無く、その後は二人で美味しくご飯を食べていた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます