第2話 幼女の過去

「あの、、その、、」

幼女の怯えた表情が一変し、照れたように顔を赤くする

「助けてくれてありがとうございます。疑ってしまって本当に、、ご、ごめんなさい」

どうやら言うことを信じてくれるらしい。 いや、内心疑っている可能性や信じ込ませといて警察に通報とかの可能性もあるからまだ油断は出来ないが

ただ、一言言えることは────可愛い


俺は殺人鬼だが、訳ありで幼女と一緒に暮らしている

「そういえば、服汚いし髪もベタベタじゃねーか。シャワー浴びてこいよ」

「はい」

「その間に飯の支度は済ましといてやるよ」

「ありがとうございます」

幼女はちゃんと風呂に入ったみたいだ

その間に俺もご飯の支度をしとかないといけないな


そして数10分後、幼女は風呂場からでてきた。拾って来たときよりも可愛くなって、綺麗になって、そして───全裸で

俺は手に持っていた食器を落とした。いやそんなのどうでもいい。問題なのは幼女が見知らぬ男に突然全裸を見せて来たことだ

「ちょっちょっちょっ、おいガキ!おまっ服はどーしたよ服は!!」

「えっと、替えの服ありませんでしたし、さっき着てたのも汚れてますし」

「いや呼べよ!服くらい貸す!」

「ご、ごめんなさいぃぃぃ、、、」

俺が怒鳴ってしまったが故に、幼女は泣いてしまった。失態だ

でも幼女がいきなり全裸で来たらそうなるであろう。照れというか恥ずかしいというか、何したらいいのかわからなくなる

「わ、わりぃ強くいいすぎちまった。ほら服、サイズでっかいけど着れない事もないだろうよ」

「ぐじゅ、、、あ、ありがとうございます」

「はぁ、あと女の子用の下着なんて持ってねぇから、さっき履いてた奴で我慢しろ」

「はい、ありがとうございます」

どうにか落ち着いた。その後、幼女はちゃんと風呂場で着替えてから俺のいるところ──キッチンに来た。 どれも男子用のLサイズの服しかなかったからすごいぶかぶかである

そんな幼女に対する一言は────可愛い


幼女を拾ってから2時間が経過した

俺と幼女は飯を済ませ、俺は食器の片付けをし、幼女は俺の手伝いをしている

「なあガキ、お前の親はどこ行ったんだ?」

「パパとママは私をあそこに置いて行ったきり戻ってきませんでした」

俺は一瞬、幼女の親に何かあったのではないかと思った。でも、そうではなかった

「心配になって私は家に戻ると、パパとママは楽しそうにしていて、私が家の中でパパとママのところに行ったら、、、」

「行ったら?」

「──なんで戻って来るの?あなたはもういらないの必要ないの。邪魔だから出てってよこのウジ虫が──って言われて、私は家を追い出されました」

「んなっ、そうか、辛かったんだな。だが、俺は絶対にそんな事はしねぇ。約束だ」

「優しいんですね、ありがとうございます」

俺は幼女に笑顔を向けた。そんな辛いことがあったのだから、せめて、いや必ず俺がこの幼女を守るんだと

そしてもう1つ、あの親を絶対に許さない

必ず殺してやる──────と

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