4-アドルフォス邸研究室

「じゃあ、ケイオスは誰に殺されたってんだ。そしてどこで殺されたんだ」ダニエルは冷静にトリックを話すこうすけに詰め寄る。


「多分研究室だ。アドルフォス氏の研究成果を狙ってきたんだろう。誰に殺されたかは黒いフードをかぶっていたので解らなかったが、突発的な殺人では無く、アドルフォス氏を殺してでも手に入れたかったのだろう。だから研究室を調べれば何か解るかもしれない」

「だが警察で調べたところ、研究室には誰かと争った形跡も殺人の跡も何も見つからなかった。他の魔導士にも探させたし間違いないだろう」


「魔導士は自分の一番大切な研究成果を簡単に、見つかるような真似はしない。多分簡単に見つからない、隠し扉みたいなものがあるはずだ。とにかく研究室を見せてくれとっつあん」


研究室に行ってみると綺麗に整頓されていてダニエル警部が言ったように何もなかった。


「どうだ、何か解ったか」

「解らないが調べる方法はある、母さん頼む」

とこうすけはカガリに頼んだ


「了解。私に懸ればあなたの全裸だって見られるわよ。」などとダニエル警部に向かっていった。思わずダニエルは股間を抑えた


「そういえばその手がありましたね」とロック警部補が称賛する

カガリが集中すると普段青い目が赤くなった。


これに絵里は思わずびっくりしてしまった。

「え、これって」

「千里眼、これが母さんの魔術特性、文字通り、遥か遠くまで見える能力と、並外れた動体視力、分厚い金庫の中から俺らの下着まで何でも見える。」


「ちょっとこうすけ後でキック1発ね」笑顔で死刑宣告をする。彼女の蹴りは魔力を込めればコンクリートを砕く。


一通り研究室を見回して何もない壁をいじっているとコントロールパネルが出てきた。


「あれその辺りも調べたはずなんですが?」とロック警部補が言った。

「それは簡単、この壁を押し込むとロックを解除する装置が出てくるんだけど、こっからは私にはどうにもできないわ。指紋認証、顔認証、そして虹彩認証があるから、壁の向こうに通路があるのは解るけど進めない。というわけであなたお願いね」

守に向かって頼む


「ふうーこれ体に負担がかかるんだけどねえ、やれやれしょうがない」

変身トランス」と言った瞬間桜田守はケイオス・アドルフォスに姿を変えた。

「指紋認証・・OK、顔認証・・OK、虹彩認証・・OK セキュリティーチェックオールグリーン扉を開けます」といった機械音が聞こえて壁が変化し、扉が現れた。


「ま、まもるさん。今のって」

元の姿になった守に絵里は聞いた。守は誇らしげに

「うん、今のが僕の魔術特性・・変身トランス普通の魔法にも自分の姿を変える魔法はあるけど僕のは特別性、相手の魔術特性、属性、能力もコピーできるからこういった特殊なセキュリティーも突破できるってこと」


ここまで3つの魔術特性を見て

「何だか、犯罪とかに応用で気そうですねぇ」といってしまった。

「いやーそんなことに使うはずないよな、なあこうすけ」とダニエル警部はにやにやしながら言った。絵里以外の4人は青い顔をしてだらだらと汗を流している


「そ、そんなはずないじゃんか、俺の魔術特性なんて、潜入ミッションには全くむかないよ。」とフブキが慌てて弁解する。

「じゃあフブキ君の魔術特性って?」


「ん・・もうすぐ解ると思うよ。だってここからは間違いなく、危険な区域だから。刑事さんたちも気をつけてね」


話をはぐらかされた形になったが、先に進む。道なりに進むとガーゴイルの石像が扉の前に2体置いてあった。


「戦闘準備だ」といった瞬間、こうすけ達はそれぞれの戦闘スタイルに変身する。

絵里は変身ヒロイン(勇者)、こうすけは暗殺者、フブキは格闘家ファイターまもるは騎士ナイト、カガリは軍服のスナイパー


ガーゴイルの目が光りこうすけ達に襲ってきた。先陣を絵里、フブキ、まもるが切る

絵里がガーゴイルの体に剣を振るう、フブキはガントレットを装備した拳で殴り、まもるは槍で突き刺した。


3人の攻撃で、ガーゴイルの一部が砕けたが空を旋回して距離を取る。このままいけばガーゴイルは再生するはずだったが


「凍える冷気の衣よ。覆い尽くせ寒冷水ヒュールディ

こうすけの魔法でガーゴイルが2体地面に落ちたところをカガリの銃弾で一期に破壊した。爆発弾バーストブレッド、かがりの銃はいくつか特殊能力を秘めた弾丸がありそのうちの一つ。当たると手榴弾が爆発したような現象を起こす弾だ。


「すげー」ロック警部補は驚いた。研修でこういったトラップを対処するのはAランクの魔導士が複数いていも難しいと聞いていたのに、この5人はいともあっさり対処した。


あの華奢な女の子の動きも早すぎていつ切ったのか解らないくらいだった。

これが勇者。その姿にロックは感嘆した


「これがあいつらの力だよ。まったく大したやつらだぜ。新人さんもすげーみたいだしなあ」

これでW機関の仕事を受けなければならないのはもったいないと感じた。自分の部下に欲しいくらいだ。


そんな二人の賛辞を淡々と受け流しこうすけは最後のトビラを開ける。

するとそこには異様な光景が待っていた。



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