3-アドルフォス邸探索

車をアドルフォス邸に止める。警察の車が多く止まっていた。桜田幸助、吹雪、守、カガリ、神崎絵里がアドルフォス邸に入ろうとする。扉の前に警察官が止まっていた。


こうすけが魔道端末ターミナルに身分証明ページを見せる。

魔導士桜田幸助です。W機関の要請により参りました。


すると警察官が少し驚いたこの年齢の子が魔導士だというのも驚いたが、それがW機関の人間であることはそれ以上の衝撃だった。


魔導士はアヴァロンという国においては特権階級である。あわてて

「かしこまりました」と中に5人を案内した。


中にはダニエル警部とロック警部補が待っていた。


「よう、やっと来たか。待ってたぜこうすけ。」とダニエルが片手で頭を抱えてぐりぐるする

「いってー。相変わらずだな、とっつあん。」

まるで友人のような態度に絵里がフブキに話しかける。


「こうすけさんって警察の方とお知り合いなんですか?」

「ああ、こう兄の能力は警察の捜査に向いてるからね。ちょくちょく協力してるみたいだよ。最初は仲悪かったみたいだけど、今は親戚のおじさんみたいだよね。」


もうひとりのロック警部補が絵里に気づく、

「あれその娘だれ、W機関で聞いたメンバーより一人多いけど新人さん?」


その声にこうすけがロックに返事を返す

「なわけないだろう。ロックこのが今回の勇者だよ。」


ダニエルとロックが今日一番驚いた顔をする。

「おいおい冗談だろう。このが勇者だと何つうか今までの勇者と違ってきゃしゃっていうか弱そうって言うか」

「こんなかわいい子が勇者ですって、いやーいいっすねー。俺も守られたいっす。」


「それが本当なんだよ。絵里、聖痕スティグマを見せてやれ。」

絵里が手の甲を見せるとダニエルとロックが教科書にあったものだと同じだと確認したがそれでもこの二人は信じけれないらしかったが


「まあ、今回は特別なんだよ。それよりとっつあん、ロック本当にケイオス・アドルフォスが殺されたのか?今回は直接上層部から通信で命令を受けたが信じらねえよ。あの天才が殺されるなんて」


絵里がカガリにそっと尋ねる

「ケイオス・アドルフォスってそんなにすごい人だったんですか」

カガリも慎重に答える。彼女もケイオスが簡単に殺されると思っていなかったので信じられないといった顔をしながらいった。

「ケイオス・アドルフォスは主にホムンクルスやクローン、再生治療、主に生命を研究していた魔導士よ。使い魔として大型のキメラを使役しているし、本人も3系統の属性を持つ魔導士で若いころはSランクの魔導士を何人も打倒している」

「そんな天才が殺されるなんて」


こんな緊迫感のあるカガリを絵里は始めてみたので自体は深刻だと感じた。


「それでどうやって殺されたんだ。」こうすけがダニエルとロックに聞いた。


「密室で鋭利なもので一突きか信じられねえ。現場をみせてもらっても」

「そのためにお前を呼んだんだが、一家全員で来てくれるとはね、おまけに勇者様まで」

「魔導士の事件で用心に用心を重ねることは当たり前だぜ。それに・・場合によっては研究室も調べさせてもらうことになるからな」


「殺害されたのはケイオスの部屋だぜ。研究室は関係ないんじゃ」とロックが疑問を口にする

「魔導士が殺害される理由として多いのは怨恨とかよりそいつの研究成果を狙うことが多いからな。念のため調べさせてもらう何か解るかもしれねえ」


ケイオスの部屋に来ると

「ドアを開けた以外は、そのままにしてある。調べてくれ」とダニエルは全員に余計な指紋が付かないよう白い手袋を付けさせた。


ドアを開けるとケイオス・アドルフォスの死体が横たわっていた。

「確かにまるで尖った剣でさされたみたいですね」と絵里が極めて冷静に言った。


その様子にダニエルは驚いた。まだ勇者になってから日は浅いのに悲鳴1つ挙げず冷静に死体を視ていた。肝がすわってらあとダニエルは思った。このもわけありなのは明白だった。


こうすけがダニエルに触る。彼の右手から緑色の光が出る。

絵里はこうすけが何をやっているのか解らなかったが、みんなは解っているようだった。


そんな様子を見てまもるが絵里に開設する。

「これがこうすけ君の能力。記憶操作メモリーコントロールだ。」

記憶操作メモリーコントロール?」


「そう本来はこうすけ君が手で触れた相手の記憶を操作する能力なんだけど、この能力は記憶を読み取り、こうすけ君が情報を分析し、そしてその情報を改変する能力なんだけど、能力の応用で人やモノの記憶、その場であった出来事も世界の記録として残るためその分析に使えるんだ。」


「これが魔術特性、魔道端末ターミナルなしでも発動できる。奇跡だ」


数分間手をケイオスに振れたところで手を離した。その瞬間緑に光も消える。


「ダニエル警部、ロック警部補信じがたいことだが、ケイオス氏が殺されたのはこの部屋じゃない」

「馬鹿なこの部屋は完全に密室になっていたぞ。それに魔導士の監察医はこの出血量からこの部屋で殺されたのは間違いないと報告があったぞ、」

「部屋に飛び散った血液の量も、この部屋で殺されたことを証明している。」


「俺が視た記憶によれば犯人は黒いフードを被っていて、ケイオス氏の体を担いで、きた。」

「その後氷で止血した傷口が開き、再び出血した。そして部屋を出るとき魔法でできたワイヤーを部屋の内側の鍵に巻き付けてドアを閉めてワイヤーを回転させることで、ドアを閉める。魔法でできたワイヤーを消せば後は密室完成」


全員がはーといった表情をしていた。これが絵里が始めて目にする魔術特性。一人一人違う魔法使い固有の能力

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