2-魔術特性
桜田幸助は桜田守が乗る車に乗り、キュドニアに向かっていた。
車の中には桜田吹雪、桜田カガリそして
「あのう、今日私が連れてこられたのって何でなんですか?こうすけさんが請け負った依頼だと聞いていますが」
今期の勇者である神崎絵里が乗っていた。
「今日は殺人事件の調査ですよね。こうすけさんみたいに頭がいいならともかく、私は戦闘しかできないし、正直」
これから勇者として戦っていく身として、死体を見なければいけないじたいに出くわすだろうことは予測していたが彼女も16歳の女の子である。
こうすけにレクチャーだと言われて連れてこられたが、あまりきが進まない。
「絵里ちゃんが役に立たないことはないわ、なんせ魔導士のラボだもの戦力はいくらあってもいいくらいだし、こうすけの思惑として魔術特性についてレクチャーしたいんでしょ。あなたの能力は普通の生活では見せにくいし、あなたの能力はこういった操作ではうってつけだから」
と優しくカガリが言った。
「魔術特性?」また新しい言葉が出てきたなあと思った。
「魔術属性の方はもう解っているわよね?」
「はい、トレーニングの時に教えてもらいましたね。魔法には属性と呼ばれるものがあって人それぞれに属性があって基本的に、その人が持っている属性の魔法しか使用が出来ない。」
「属性は主に色で表され、赤、青、緑、白、黒の5つで構成されている」
「はい、正解」
カガリは続きはと促した
「えっと、普通の人は持てる属性は普通2つ、才能があると言われる人で3つ、天才と言われる人で4つ、5つもっているのは魔導士においてトップクラスといってもいい」
「それぞれの属性の違いも話した方がいいでしょうか?」
続けて、続けてと面白そうにフブキが促した。トレーニングに付き合って身として弟子の成長が嬉しいらしい。
「白は平和や秩序、法や正義を司る色となっている。攻撃、防御、回復と攻守のバランスがとてもよく、何でもできる色と言える。弱点は魔法発動速度が5つの俗世の中で一番遅いこと」
「青は水や大気、高度な知性や精神を体現した色です。相手の呪文を無力化したり、逆に利用したりというように、相手の攻めをかわしながら、じわじわと相手を追いこんでいくような戦い方を得意としている。攻撃魔法に威力が足りない代わりに魔法の発動速度は一番早いし、回復魔法もつかえます」
「黒は死や恐怖、狂気の色よ。あらゆる手段で相手を攻めることができる色で、とにかく攻撃的なのが特徴です。防御魔法もありますが黒の防御魔法は一度攻撃を受けると一発で壊れるのが特徴で連続攻撃を防ぐことが出来ない。後は魔法の発動速度が白と大差ないのが弱点です」
「赤は炎や怒り、混沌といったものを支配する色です。炎を使った呪文で相手を攻撃するのが得意で、黒とはまた違った意味で攻めに特化した色になっていると言えます。黒より威力は劣るけど、青と大差ないくらいの発動速度があります。弱点としては赤には防御魔法と回復魔法が無いこと}
「 緑は大地や自然、生命といったものに支えられている色です。魔法を使って相手を攻めることは得意ではないけど、自分たちを強化する手段が豊富で、真正面からのぶつかり合いでは他の色を圧倒することができます。回復魔法も存在し、自分の魔力だけでなく、自然エネルギーを使えるのが特徴です。魔法の発動速度は5色の魔法の中で中間くらいです。」
「正解、よく覚えていたねぇ絵里ちゃん」はげた頭を撫でながら、高速を使って車を運転する守るが褒めた。普通2週間のトレーニングでここまでここまで来るのは難しい。最初は彼女の得意な色だけ重点的にトレーニングしていたが、暇があれば他の色の魔法もトレーニングの中で体感していた。
「話は戻しますけど、魔術特性って何でしょうか?」と絵里はこうすけに質問した。座学担当は主にこうすけがやっているので癖みたいなもんだ。
「魔術特性って言うのは一言で表現するのは難しいが、魔法を使う、使わない人間に限らず必ず誰もが持っている固有能力のことだな」
「
「超能力者ですか?」
「代表的な能力が超能力で説明されるものが多いからかな。代表的なものでサイコキネシス(念動力)、パイロキネシス(発火能力)、テレパシー(精神感応)、未来予知、テレポーテーション(瞬間移動)、透視(千里眼)、サイコメトリー(残留思念感応)、念写などこれら全て魔術特性が表層化したものだ」
「もちろん自分の能力に気づかずに一生を終える人間も多い。あるいは気が付かない方が幸せに暮らしていける可能性もある」
「パイロキネシス(発火能力)をもつ人間が能力を暴走させ、人体発火現象を起こして亡くなったケースもある。その為にもお前の魔術特性が解らない以上、事前にどういうものか肌で知っておいて欲しいということだ」
「つまりいつもの」
「そう体で覚えろだ。座学で得た知識より、実実際に体験した方が見につく」
「そうですね」と絵里はどよーんとした顔で答えた。まだこうすけに本来の姿でトレーニングを付けてもらえたことがなく、
「さあもうすぐ、着くよ。」いつの間に車は高速を降り、キュドニアに入っていた。
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