朝食

 今の時刻は9時20分、外の様子が全くわからないので時計を信じるならばこの時刻だ、針時計なので午前か午後なのかわからないが、多分午前だろう天井の電球が部屋を照らす。

 さてどうしようかと思ったがとりあえず俺は冷蔵庫を開けた、お腹が空いていたのだ。

 あるのは鍋に入れられた豆腐一丁と布に包まれた物が一つ、開けてみれば中はカステラだった。

 なぜ冷蔵庫にと思ったがとりあえず食べた。

 そして一枚の紙がある事に気づいた、紙にはこう書かれてた。


“そこで待っててください”


 この文字の書き方には見覚えがあった、俺の彼女——早苗さなえの文字だ。

 早苗とは大学のTRPGサークルをキッカケに付きあいだした、当時は彼女いない歴=年齢だった俺にはもったいないくらいの彼女だ。

 しかし早苗がこの状況に関係しているのであればどういうことなのだろうか。

 俺は冷たいカステラで体が冷えた為、豆腐の入ったナベをコンロに置き火を点けた。

 せめて湯豆腐で食べようと弱火で豆腐を温める。

 その間に今の状況を整理しようと畳の上にあぐらをかいて座った、もちろんずっと全裸で。

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