1月11日

 夜中の2時に目が覚めた。

 部屋は暗いがPCが起動したままになっていて、動画サイトが『もう一度再生』画面のまま停まっている。

 毛布にくるまっていたので、恐らく動画を見ながら横になっていたら、そのまま寝落ちしてしまったのだろうと思われる。

「うぅー、おしっこしたい」

 部屋はいつも通り暖房ががんがんなのに、なんだか肌寒い。

 隙間風のせいという訳でもなさそうだ。

 もそりもそりと億劫ながら毛布を抜け出し、トイレに向かう。

「ぅあっ……雪が……降っとる……!」

 寒い筈だ。

 トイレの小窓から覗く景色は一面雪化粧で、白粉おしろいを塗りたくった花嫁よりも色濃く白に染められていた。

「わー、わー、わー」

 どうしよう。

 色んなことが同時に頭に浮かぶ。

 これ仕事行けるかな。

 他の人はちゃんと出勤できるかな。

 私は何時に家を出たら間に合う?

 お店休みになったりしないかな? なんつって。

 三日ぶりの仕事がこの天気かぁ。

 上司から「休んでいいよー」みたいな連絡来ないかな。

 どんな格好で出掛けたら寒くないかな。

 てかどうやって仕事行こう。


 普段積もる程の雪が降らない私の街では、稀にこうして自然が猛威を振るったりすると、たちどころに交通機関が停まってしまう。

 私の街が田舎だからというのもあるけれど、元から不便な交通機関が停止してしまうというのは、会社勤めの私にとって自然の猛威よりも恐ろしいことなのだ。(これは言葉のあやで、もちろん自然災害のほうが圧倒的に恐ろしいが)

 まあ、恐らくバスは遅延でも動いているだろうし、電車だって雪なら運休までは至らないだろう。

……はぁ、悩んでいても仕方ない。会社からの連絡はあまり期待できないし、諦めて厚着して、着替えの靴下と靴をバックに詰め込んで出掛けるとしよう。

 普段から「荷物多くない? 何が入ってるの?」と同僚から言われるバックパックにタオルと靴下とビニールに包んだ替えの靴を入れて、普段より一枚多く服を着込んで、私は玄関を出た。


「……さっっっむ!! 明日どうしよ?! 今日より寒いらしいんだけど!? 私大丈夫かな?! 途中で凍えて死んじゃったりしない!?」

 三日ぶりの仕事は意外とスムーズに終わり、約一時間の残業の後、帰り着いたのは20時過ぎだった。(NO残業とは言ってない)

 お昼からうっすらと晴れつつも、しんしんさんさんと重ための雪が降り続けた今日の空模様だったが、夕刻、少しの晴れ間が差した後、小雨を経由した挙げ句、余計に酷くなって猛吹雪と化したなう。積雪うぃる。

 なまじ小雨を挟んでしまったぶん、明日の朝には路面は氷に覆われて、今日の2倍は出勤に時間がかかるに違いない。

 これで明日の朝は死ねる。定時に会社に辿り着くには普段より一時間早く家を出ねばならない。めいびー。

 朝はとても弱いのだ。私と私は。

 とは言え明日のことを今日嘆いても仕方がない。

 早起きするために、早くお風呂を済ませ今期のアニメ巡回を再開せねば!

 今期も面白いアニメが多いから寝れない日が続いているのだ!

 上手くいけば2時には寝れる!

 2時に寝たら四時間は眠れる! これなら大丈夫!

 めいびー!


 なんて。また無茶振りを明日担当の私。Bちゃんに放り投げて、今日の私は頑張った私に萌え動画という名のご褒美をあげるのであった。なう(笑)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る